【大紀元日本3月31日】フロリダ州マイアミ市のペンブロク・パインズで「2006年海外華人新構想」シンポジウムが3月4日、開催された。「共産党は台湾を攻撃するのか」「攻撃するとしたら、可能性としていつごろか」など一般参加の聴衆からの質問に、講演者がそれぞれ発言、中共の台湾侵攻の可能性と時期について独自の見解を示した。
パネリストの聶森氏=米カトリック大学教授=は、中国の民主化推進が両岸の紛争を回避する要点と主張し、「過去30年間、真の民主国家間に戦争勃発はなかった。民主国家間では紛争は起こりえ得ない。紛争がある国は、当事国のうち必ず一方が専制独裁政権である」と語った。
パネリストの楊明倫教授は、中共の台湾侵攻はいつかという問題より、台湾側の防衛力を整備する方が重要であり、海外からハイテク兵器を購入し、必要な防衛力を配備すれば、いつでも迎撃が可能であると述べた。さらに、楊教授は数年前に米国が売却した潜水艦が国内反対派により差し止めになった例を挙げ、購入した兵器は必ず台湾軍に編入されなければならないと主張した。
パネリストの章天亮氏=大紀元コラムリスト=は「共産党の台湾侵攻は虚勢に過ぎないが、台湾は警戒を緩めてはならない」との見解を示し、「中国GDPの内、70~80%が貿易に依存しており、その70~80%が米国から来ている。中国の経済成長は、輸出に高く依存し、不均衡な経済問題に直面している」と指摘した。 さらに、もし両岸で紛争が勃発すれば、中国は厳しい経済制裁に直面し、国内経済に深刻な損害を与えることは、共産党がよく分かっているはずだと述べた。
章氏はさらに、「大陸では原油の備蓄がなく、2003~2004年に中国全土で省・市・自治区20数カ所で電力使用が制限された」「昨年の原油価格が高騰したため、中国はベネズエラ、カナダ、中東各地で石油を求め、イランと100億米ドル(約1兆1700億円)の契約を結んだ」と発言、中国の経済発展がエネルギー消費に高く依存し、1米ドルGDP生産毎の、エネルギー消費は日本の数十倍であると指摘した。また、共産党は政権を維持するために継続的な経済成長が必須であり、その大部分を高額投資、高エネルギー消費の工業に依存していると述べた。「紛争が勃発したら、米国の石油備蓄量は半年、日本は3ヶ月、台湾は不明、大陸は1週間。従って、両岸が開戦すれば、中共は戦略備蓄・石油備蓄のない状況で、深刻なエネルギー問題を招くであろう」と分析した。
章氏によると、中共は「外面強大に見えるが、内部は非常に虚弱」である。80年代、当時の総書記・_deng_小平は、人民解放軍100万人の削減を行い、経済を開放した。92年の南方視察では、軍部に「軍隊要忍」と訓辞、軍備費の削減に踏み切り、経済建設に傾倒したため、軍部が待遇に不満を持ったという。章氏は、江沢民の政権奪取後、「魚心あれば水心」と軍部を放任したため、遠華密輸事件らの深刻な腐敗を軍内部にきたしたと指摘し、「現在の人民解放軍の戦闘力は極めて低い」と発言した。この件に関して、章氏は書籍「江沢民その人」を勧め、「中共は、外交、経済、エネルギー、軍隊内部の人事関係などで制約が多く、現時点では台湾侵攻はありえない」との見解を示した。
また、許清政氏=台湾人公共事務会米国東南区理事長=は、「アメリカ人は収入100米ドルにつき銀行預金3.5米ドル、それに対して中国人は収入100元につき42元という高い貯蓄率…人民銀行だけでも8800億人民元を超える一般個人預金がある。一旦開戦すると、銀行預金が凍結される恐れがあるため、民衆は先を争って預金を解約し、中共に大問題をきたすため、そう簡単に台湾に侵攻しないだろう」と意見を述べた。
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