【大紀元日本4月14日】中国の国家指導者・胡錦涛総書記の訪米前、米国シンクタンク・ブルッキングス研究所は10日、胡氏訪米と米中経済関係についてシンポジウムを開催した。
胡氏の今回訪米は就任以来初、昨年9月の予定だったが、ハリケーン・カトリーナによって延期された。そのため、米国各界は胡氏訪米を長く待望していた。胡・ブッシュ会談での多くの議題の中でも、米中両国の経済・貿易に関する問題が主になるとみられる。
RFA(ラジオ自由アジア)によると、今回のシンポジウムにブルッキングス研究所の研究員・黄靖氏とブルクロフ氏、カリフォルニア大学デービス校の経済学教授で客員研究員・胡永泰氏、中国問題のスペシャリスト3人が出席した。
黄氏は、中国の全人代と全協商が閉幕後、中国の経済政策に変化が三つあったと発言、一つは経済成長の速度から質への追求、二つは経済発展の中心を沿岸部から内陸地域へと転移、三つは富・財産の創生から分配に変化したことだという。黄氏はまた、中国経済に深刻な不均衡が出現、貿易収入が中国国民総生産(GNP)の80%を占有、先進国は40%前後で、日本やアメリカ或いはドイツのGNPに占める貿易収入の割合は20%前後と指摘した。そして黄氏は、固定資産投資がGDPの半分を占有、中国経済は投資バブルと述べ、状況を打開し、米国の巨額な対中貿易赤字を縮小するため、中国政府はまずその経済構造と政治構造を変えなければならないとの認識を示した。しかし、中国政府の指導者たちは短期間内にこれらの構造を変える力を持っていないため、胡氏訪米により貿易赤字の問題がすぐ解決できると期待しないとの意見を述べた。
カリフォルニア大学デービス校の経済学教授・胡永泰氏は、米国の対中貿易赤字拡大により米国内の雇用機会が減少、米国が知的所有権を有する製品の海賊版が中国国内で氾濫、中国政府のWTO規約不履行、これら三点に米中貿易摩擦が現れていると発言した。知的所有権やWTO規約に関する摩擦について、その主導権は中国側に握られているが、貿易赤字問題については米国がいかに産業のグローバル化という動向に対応していくかが肝要と指摘した。もし、人民元が大幅に切り上げられると、中国製品は相対的に高価になり、米国の中国製品輸入は減少する。しかしながら、米国企業は中国から輸入しなくても、中国よりずっと安い他の国から輸入することができる。したがって、これは根本的に米国の貿易赤字問題を解決できない。貿易赤字の拡大によって雇用機会が減少するので、失業者に生活保障や再就職訓練を提供するために、米国はより完全な社会保障制度を考えなければならないと付け加えた。
さらに、中国副首相・呉儀氏が胡氏訪米前に米国製エア・バス約150億ドルを購入したことについて、中国はこのような行動を取る必要が無く、もしWTO規約を忠実に履行し、対外的に貿易市場をさらに開放、金融システムを改革し、社会保障制度を見直せば、米中間の貿易摩擦を解消するにはより効果的との認識を示した。
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