【大紀元日本5月13日】国連総会は5月9日に人権委員会を改組し、人権理事会の選挙を行った。キューバ、中共、パキスタン、ロシアおよびサウジアラビアを含む、これまで人権記録で非難された各国が、47カ国からなる国連新人権理事会に当選したという異例の結果となった。
BBCの報道によると、かつて人権記録において最悪とされたスーダンおよびジンバブエが国連人権委員会の構成員であるため、国連人権委員会は笑いものにされていた。今回、新に人権理事会を創設した目的は、人権問題で非難される理事国を除外することにあるという。
本部は米国にある人権団体「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」は、人権記録の劣等国である中共、キューバ、パキスタン、ロシアおよびサウジアラビアの票を投じないように呼びかけたが、懸念された結果となった。また、新人権理事会は、人権問題を改善できるかどうかは継続的な観察が必要とし、責任は重大で前途は遠いとの見解を示した。評論家らは、キューバおよび中共、ロシアが当選したことに鑑み、新理事会は人々を迫害、拷問およびその他の人権侵害から守ることができるかに疑問を抱いているという。
国連観察事務長ニューア氏は、人権理事会はこれまで人権委員会が指摘されたすべての問題を脱却しなければならないと主張した。しかし、今回は当選国の中に多くは人権問題で非難されている国であるから、ニューア氏は、前委員会の影響を受けて新理事会は改善されないままに運営を引き継ぐことになると懸念している。
また、「ウォールストリート」紙および「フィナンシャル・タイムス」紙は、新理事会の組合せはこれまで劣等な人権委員会と同様なものを作り出すのみであるとし、ことをさらに悪化させる国連改革であると指摘した。「ウォールストリート」紙の評論で、声名が地を払う同委員会は、世界における人権侵害を無視して来たとは、構成員にキューバ、ジンバブエおよびスーダンなど人権侵害を踏みにじる国がいるからであると強く非難した。
今回はもっとも新理事会の構築内容を疑っている米国は、理事国の選挙にすら参加しなかった。一部のヨーロッパ国家も同理事会に対して疑問視しているという。
一方、北京当局は新理事会の当選に大々的に宣伝しているという。北京当局は、インターネット上で、平和的に意見を唱える異見者を勾留し、自国で死刑に直面する脱北者を北朝鮮へ強制送還し、中国カトリック教信者がローマ法王に対し、公開に忠誠を表すことを禁止するなどの抑圧が継続している。
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