インサイダー容疑で村上氏を逮捕=東京地検が正式発表

2006/06/05
更新: 2006/06/05

ニッポン放送株を巡るインサイダー取引疑惑で、東京地検特捜部は5日夕、MACアセットマネジメント(村上ファンド)を率いる村上世彰容疑者を証券取引法違反の疑いで逮捕したと発表した。東京地検は証券取引等監視委員会と合同で東京・六本木ヒルズにある関係事務所などの捜索も始めた。

発表によると、村上容疑者はMACアセットの役員らと共謀し、2004年11月8日ごろ、ライブドアの幹部らからニッポン放送株式を5%以上取得するとの情報を得、公表される前の11月9日から1月26日までの間にニッポン放送株193万株を合計99億5000万円で買い付けた疑い。

証券取引法167条は、発行済株式の5%以上を買い占める行為を公開買付に準じる行為と位置づけ、こうした買い占め情報を実行者から聞き、公表前に株を購入するとインサイダー取引に当たるとしている。

また証券取引等監視委員会も5日、証券取引法違反(インサイダー取引)の疑いで村上容疑者とMACアセットマネジメントに対し、東京地検特捜部と合同で強制調査に着手したと発表した。

村上容疑者は5日開いた会見で、ライブドア元幹部で、ライブドアの有価証券報告書の虚偽記載の疑いで証券取引法違反に問われている堀江貴文被告らから、ニッポン放送(当時は上場)の経営権を取るためにTOBを実施する意向であると聞きながら、村上氏自身の運用するファンドもニッポン放送株の売買に係わったことが、証取法で禁じるインサイダー取引にあたると全面的に認めていた。

村上ファンドが筆頭株主の阪神電気鉄道に対しては、株主提案を取り下げ、阪急ホールディングスによる阪神電鉄のTOBが成立するように株式の売却を検討する方針も発表した。