【大紀元日本7月25日】 カンボジアの旧共産勢力「クメール・ルージュ」党中央委員会・常任委員の一人であった、タ・モク元参謀総長(80)が21日、首都プノンペンで死去した。「虐殺者」の異名をとる同元参謀総長は、かつて政権軍指令官として70年代の多数の虐殺案件に関与した。BBCが伝えた。
クメール・ルージュ政権下では、飢餓、疾病、処刑などにより、約170万人が死亡した。同元参謀総長は、国連が後援し2007年から開始される公判で、人道違反罪、虐殺などで裁かれる一人目(の被告)になる予定であった。
同元参謀総長は、拘留中のクメール・ルージュ元司令官二人の内の一人で、いまだ生存中の残党もすでに健康状態が良くなく、アナリストの一部には、裁判開始までこれらが生存するか否か疑問だという。
「タ・モク氏は、21日朝亡くなった」「日頃から健康状態が悪く、呼吸器にも問題があり、老衰だった」と軍医・ツオ・ナラ氏が、記者に述べた。同元参謀総長は、6月から容態が悪化し、高血圧と肺結核により、7月上旬から昏睡状態に陥っていた。同元参謀総長の甥モーム・ノル氏(33)は、「叔父の死を悔やむ」とプノンペン病院の外に待機する記者団に語った。
BBC現地特派員によると、同元参謀総長は、「クメール・ルージュ」党常任委員の中で最も残酷だと、多くの人からみなされているという。同元参謀総長は、クメール・ルージュが政権を奪取する以前から、虐殺と粛清の中核を担い、1974年には当時の王都オウドンを破壊し、文民、政府職員、軍人を虐殺し、後に政権奪取をした後の国内粛清時にはこれを煽動し、1997年には組織の全体的指導者となったが、99年に捕らえられ拘留されていた。