【大紀元日本9月17日】台湾与党・民進党党首の游錫コン主席は先週アメリカの訪問中、ワシントンでの記者会見で、西側社会が懸念する「中国脅威論」を取り除くために中国当局が唱えている「中国の平和的躍進」は、平和的ではないと指摘、民主的躍進を通して初めて平和が保障できると主張した。游氏はまた、中共当局が台湾内部の民主活動を干渉していると批判した。
VOAによると、游氏の今回の訪米は、民主、軍備の購買および憲法修正等の問題について、米当局関係者との会談が目的であるとし、一部の米議会議員との会見も予定されている。
*民主の躍進こそ、平和を保障するもの
游氏は12日、ワシントンのナショナル記者クラブで開かれた記者会見で、中国が「平和的躍進」の看板を掲げて西側社会が懸念する「中国脅威論」を取り除こうとしているが、その主張は充分ではない、「民主的躍進」の考えは必要であると指摘した。「平和的躍進は必ず平和をもたらすことはなく、民主の躍進こそ、平和を保障するものである。民主の躍進は、中国が責任を負える利害関係者となる」との主張。
同氏は、20世紀初頭の強権国家のドイツと日本は、民主国家ではなかったため、両国の躍進は世界に災難をもたらした。一方、米国という強権国家が民主の躍進によって、世界に平和をもたらした。中共当局が唱える「平和的躍進」は美しいスローガンだが、必ずしも平和をもたらすものではないと述べた。
同氏は、「現在中国が持っている特徴は、当時のナチスや軍国主義の特徴と多くの部分が一致している。例えば、強烈な民族主義、熱狂的な国家社会主義、人権を否定、強権政治の鼓吹、暴力を称えるおよび強者に対する崇拝がそうである」と分析した。
*台湾の民主自由は中共に脅かされている
游氏は、台湾の躍進は民主的であり、中国の民主化を促進する最大の動力である。しかし、台湾の民主自由が現在中共に脅かされていると指摘した。
同氏は「中共に脅かされているとは、単なる台湾に向けられた800基のミサイル、或いは反国家分裂法、または、軍事予算が2桁での成長することを指すのではない。中共の手はすでに台湾内部にまで伸ばしており、台湾の民主自由制度の運行まで干渉しているのだ」と明らかにした。
游氏は、中国経済の高度成長が、台湾民主の運行に対して脅かす力を強めたとの見解を示した。
游氏によると、台湾野党である国民党の前党首・連戦主席および親民党の宋楚諭主席が大陸を訪問した際、中華民国という言葉を口にすることすらできなかった。また、一部の台湾企業は、企業利益を獲得するために、自らの政治信仰および立場を変えた。一部の学者は、今後の中国へ交流、訪問および研究する可能性があるために、自ら言論を制限したという。
また、中共当局は影響力を使い、台湾の世論を左右することまでした。中共は米国検索エンジン大手のヤフーおよびグーグルに対して、台湾におけるネットの情報統制を強要したという。
游氏は、過去6年間、与党である民進党を引き降ろす問題は、もはや与野党が国家に対する認識の相違だけではなく、双方間の政治闘争になっていると指摘した。
同氏は、共産中国が、一旦力が強くなれば、米国の民主自由まで脅かされるかも知れないと示唆した。
*軍備購買議案は次期立法院期間通過させる見込み
一方、軍備購買問題が游氏の今回の訪問の主要議題の1つで、米当局も同問題の議案が台湾立法院での通過可否に強い関心を寄せているとみられる。游氏は、台湾自身の安全および防衛に対して、非常に関心が強いことを明らかにした。しかし、立法院での議席の大多数が野党であることから、何度もボイコットされ、過去3年間、軍備購買議案は通過することは無かったという。しかし、同氏は、次期の立法院会期内で同議案を通過させる自信があると意気込みを見せた。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。