中国、核兵器開発加速化 スパコンによる模擬実験「月5回」

2018/05/29
更新: 2018/05/29

中国では近年、スーパーコンピューターを利用した臨界核実験のシミュレーションの実施回数が増え、米国を上回る水準だと報じられた。

香港英字紙・サウスチャイナ・モーニング・ポスト(28日付)は、中国国内の主要兵器研究開発機関は、毎月5回の核実験シミュレーションを行っていると報じた。中国当局は次世代核兵器の開発を積極的に進めている。

報道によると、米国では、スーパーコンピューターによる核実験のシミュレーションの実施回数は月1回か、またはそれ以下だという。中国当局がこのほど発表した中国工程物理研究院の報告書によると、2014年9月から17年12月までに同シミュレーションを約200回行っている。

現在、中国が保有する核弾頭は数百発とみられる。米とロシアの数千発より少ない。

米政府は、中国の核兵器開発強化に警戒感を表した。

2月に発表された米政府の『核兵器態勢見直し(NPR)』は、トランプ政権は中国とロシアの核戦力の増強に対して、低出力・低威力と呼ばれる新型の小型核兵器と核巡航ミサイルの開発と導入を明らかにした。NPRでは、今後5~10年間の核戦略の方針が示されている。

米誌・『ニューヨーカー』はこのほど、中国で東風-41(DF-41)型大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発が完了する見通しだと報じた。同ICBMには、最多10の核弾頭を搭載可能だ。最大射程距離は1万4000キロで、北米全域が射程圏内に入る。

ロシアも同様に、核弾頭を搭載できる新型ミサイルや潜水艦の開発を急いでいる。なかには、最大16の核弾頭を搭載できる最新核ミサイルRS-28を40~50基生産する計画だという。

米国防総省は、新たな中ロの核脅威に対して、米は冷戦時代の核戦略を再採用すべきだと主張する。当時、米政府は、ソ連に対抗して、ICBMや新型長距離戦略爆撃機、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の開発を強化した。

米下院は今月24日、2019会計年度の国防予算の大枠を定める7170億ドル規模の国防権限方案を可決した。VOAの報道によると、同法案には、新型の小型核兵器開発のための6500万ドルの予算も含まれている。

米政権は「NPR」で、中国は、米軍の海外基地や同盟国を狙う最新型ICBMの開発を加速化するほか、宇宙空間やインターネットなどの非核兵器の軍事力を増強させていると指摘し、「米軍はすでにアジア太平洋地域において、それに対抗できる準備をしている」とした。

(翻訳編集・張哲)