【大紀元日本11月6日】中国では大量の農村の労働者が生活難を強いられ、生活維持のために都市まで出稼ぎに来ている。しかし、中共政策に関する都市部の戸籍を規定する法律条文は、かえって、彼らの都市の生存権利を脅すものとなった。多数の農工民の家庭にとって、まず直面するのは子供が学校へ行くことで最大の難題だ。大多数の都市の小中学校は農工民の子供の入学許可を拒絶し、あるいは彼らに都市住民の子供より多くの授業料を納めるように求める。
239カ所の出稼ぎ労働者子弟学校を閉鎖した北京政府
社会学校とは、北京で最も貧困な学校であるが、最近当局により閉鎖の運命を余儀名なくされた。これは出稼ぎ労働者子弟の学校とされたが、当局の許可を得ていないのである。中国各省から都市部に来ているこれらの農工民達は最も搾取を受けている弱小階層である。
中国の大都市内で、約1・2億人の出稼ぎ農民が危険で不潔な仕事に従事していると見られている。そのうち、北京には約280万人の出稼ぎの農民がおり、建築業関係、ごみ処理などに携わっている。出稼ぎの農民の子供は北京だけには約37万人がいる。たとえ社会学校のような民間学校でも彼らにとって、子供が教育を受ける唯一の望みであるとグローブ・アンド・メールは伝えた。
しかし今年の夏、当局は239カ所の出稼ぎ労働者子弟の学校を閉鎖するよう命令を下した。9・5万人の学生の教育機会に影響を及ぼした。子供達は正規の学校へ転校しなければならない。しかし、高い授業料と出稼ぎ労働者への差別問題により、これは不可能に近い。
最も皮肉なのは、当局がそれらの学校を閉鎖するのと同時に、中国の人民代表大会が出稼ぎ労働者の均等な教育権利に関する一つの法案を採択したことである。
このように政府がこうした学校を取り締まっていくのでは、かえって出稼ぎ労働者らの間に秘密の「地下」学校を設置することを招いてしまうと、社会現象研究の専門家は言った。
中国都市を漂流する子供
インターナショナル・ヘラルド・トリビューによると、中国都市にいる農村からの農工民は都市の住民のいやがる仕事に携わっている。これらの「流動人口」の子供は中国の「漂流する子供」だという。 多くの出稼ぎ農民の子供は教育を得られない。北京公立学校は地元の住民のためにサービスするだけで、結果、大多数の「漂流する子供」は登校できないことになっている。 そのため、主に農村から定年退職の先生がこれらの子供に非公式の学校を組織した。これらの学校は都市で急速に増加した。しかし、学校は法的保障がないため、常に政府に強制的に閉鎖させられる。 その上、中国では戸籍制を実行し、都市と農村における住民の身分、財産の所有権と仕事の身分の変更は禁止されている。たとえ出稼ぎ労働者の子供達が北京で生まれたとしても、受け継ぐのは両親の農民という住民の身分である。中国11省、上海を含む大都市では、法律上、出稼ぎ労働者が都市の住民と同じく福祉を受け入れることに変えたにも関わらず、しかしこの政策は地方の財務に巨大な負担をもたらすので、本当に実施されるのは極めて少ないという
口を蛇口につけ、水を飲んでいる出稼ぎ労働者の子どもたち (Getty Images )
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