【大紀元日本12月4日】パリを拠点の世界新聞協会 (World Association of Newspapers、以下、WAN)は先週、中国で拘禁されているジャーナリスト師涛氏(38)に対して、2006年のゴールデン・ペン・オブ・フリーダム賞(Golden Pen of Freedom)の授賞を発表した。師涛氏は昨年4月30日に、海外へ国家機密情報を送信したとの罪で中国共産党(中共)に10年の刑を科され、湖南省赤山刑務所に収容されている。AP通信が伝えた。
WANは1948年に設立され、72カ国の新聞協会、100カ国の新聞社主個人会員、13の通信社、9地域の報道機関からなり、全世界18000社の報道機関が関わっているNPO組織。
師濤氏はかつて陝西省の「華報」、太原市の「西安商報」「老新聞」「法制日報」など数社の記者および編集者を務めており、本人は詩人でもあり、多くの詩集を出版している。さらに、「民主論壇」等の海外メディアへの記事も書いており、独立した中国語作家グループの一員である。
2004年5月、湖南省長沙市の「当代商報」紙で編集部主任を務めている師濤氏は、地元の政府幹部の汚職腐敗について報道したのち、同年11月、山西省国家安全局が太源市で師氏を逮捕し、長沙市国家安全庁拘置所に監禁した。また、同氏は海外のサイトに天安門事件に関する報道を送信したため、2005年4月に中共当局に「不法に海外へ国家機密情報を送信した」の罪で、10年の刑を言い渡された。このことに対して、パリに本拠を置く国境なき記者団は、中共当局に同氏の送信記録を提供した検索エンジンのヤフーを強く譴責した。
中共当局の刑法には「国家機密を漏洩」の法令はあるが、「国家機密」についての定義は定めていない。それ故、評論家たちは、中共政権はこの法令を利用し、異見者に対していつでも弾圧できるとの見解を示した。
WANは設立された当時の主旨は、報道自由の促進および維持であるとし、経済独立の維持を強調するのは報道関係者が報道自由を促す重要条件であると主張する。
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