【大紀元日本1月12日】中国の元老級の経済ブレインで、国務院発展研究センター研究員である呉敬漣氏は、香港において、中国の遊休資本は過剰であり、保守的に見積もって、30兆元のホットマネーが波風を起こしており、次のマクロ調整において利上げは避けられないと指摘した。
中央社によると、呉敬漣氏は8日、香港中文大学のシンポジウムに出席した後、金融引締などのマクロ調整の目標について、人民銀行が現在利用している行政措置は次第に効果が及ばなくなっていると語り、利上げが将来のマクロ調整のツールになるとの考えを示した。
呉氏は、香港「明報」に対し、「半年以内に利上げがあるかどうかについて述べるのは非常に困難です。なぜなら、その決定をするのは人民銀行ではなく、国務院だからです」と語り、中国の金利政策は政治化しており、予測はきわめて難しいとの考えを示している。金利の決定が市場化されていない状況のもとで、市場の状況をもって金利の動向を予測することはできないと考えている。
しかし、呉氏は、中国の過剰な遊休資本に対し、強い懸念を持っている。彼はシンポジウムにおいて、中国においては、現在8兆元の外貨準備があるが、人民銀行が手形を発行して吸収しているのは、わずか2兆元分にすぎない。すなわち、6兆元の資金が市場に留まっており、乗数効果の下、少なくとも30兆元のホットマネーが市場に波風を起こし、資産価格の暴騰をもたらしている。昨年の不動産ブーム及び現在の株式ブームは、2つの大きな証拠である。
呉氏の見解によると、現在の局面を作り出しているのは、内部と外部の「二つのアンバランス」であり、内部のアンバランスは主として投資と消費のアンバランス、外部のアンバランスは主として貿易黒字の不断の累積による人民元の切り上げ圧力と貿易摩擦の増加である。この「二つのアンバランス」が持続するならば、経済において景気の過熱、インフレの加速が発生し、資産バブルが形成され、マクロ経済全体が非常に脆弱なものとなる。このとき、一旦外部環境が変化すれば、経済にシステム的なリスクが発生する。
呉氏は、中国政府が経済要素を操作するという古い考え方を変え、市場に回帰すべきであり、同時に、価格システム、為替レート形成システムの市場化を進めるべきであると提案している。中でも重要なのは、政治、法制度の整備である。この点について、彼は、今年開催される第17次全人大の動向を見守るべきで、関連する問題について明確な回答が示されることを期待していると語った。
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