【大紀元日本2月27日】中国全国人民代表大会(全人代)はこのほど、広東省深セン市羅湖区で土地開発をめぐり10億元(約154億円)の国有資金が地元政府関係者に流用された疑惑に対して、最高人民検察院、広東省人大常委および国有資金管理部門の調査を求めた。情報筋によると、駐深センの中央反腐敗チームおよび広東省紀律検査委員会はすでに調査に入り、省紀委の趙振華・副書記が同調査の責任者になったという。
「明報」紙の報道(26日付)によると、今回の調査は深セン政府が羅湖紅嶺工業区の旧町再建および同工業区内にある6社国有企業の従業員の配置のために、1997年に同工業区に対して再開発利用として認定し、2001年に批准された同特別事業項目が正式に設立されたという。今回の特別事業項目は、深セン市における近年最大の再開発利用項目の1つだという。基礎地価は7億元(約61億円)近く、立ち退き補償費を含む特別事業項目予算の20億元(約308億円)は深セン市の国有資産の一部である。
*建築開発業者と結託する行政府関係者
同項目が計画通りに開発される過程において、羅湖区政府関係者は建築開発業者と結託し、国家資金部門の批准を受けずに、合法的な手続きも踏まえずに、株式を勝手に転売し、商工登記の変更等方法によって、すべての事業仕事を個人会社に転じさせたため、約10億元(約154億円)の公金が流失したという。さらに一部の政府関係者および建築開発業者もその間に、大量に公金を横領したという。
*建築開発業者が告発
情報筋によると、利権に絡んでいる関係者と開発建築業者は人の目をくらますために、2度にわたり、元建築開発業者である茂名エチレン産業集団公司の黄志・会長に対して、無実の罪をでっちあげ投獄させた上、廣西省地方人大代表である当人の義理の父を謀殺したという。黄会長は出獄後に北京へ直訴しこの事案を告発したという。
同事案は人民日報が「国有資産が横領され、人大代表が殺害され、財産が不法奪略され、2度の迫害を受け投獄された―――地元の一部政府関係者は収賄汚職、事件に関与」と題して、内部資料を参考にした報道を行い、中南海の指導者らは関心を示し、指示を行ったという。
一方、昨年6月、全国人大常委会より広東省人大へ調査の依頼(文書整理番号:2006/0304号)を行い、廣西省人大常委および最高人民検察院は広東省に対して調査を促した。また、昨年12月、全国人大常委会は再び広東省に対して督促状(文書整理番号:2006/0487号)を送り、先月に最高人民検察院へ調査を催促したという。
督促状は、関係者および今回の案件と関連する違法行為に対して、立案調査し、法律措置を取り国有資産(税収を含む)のさらなる流失がないことを確保し、横領された公私資産を取り戻すと明確に示されている。
*政府関係者を台湾へ招待
情報筋によると、督促状の中で同件に関与する多数の政府関係者氏名が明記されており、昨年9月にすでに中央に「双規(規定された時間と場所で、自己批判すること)」された中級裁判所の裴洪泉・副所長もリストアップされているという。督促状は、これらの政府関係者は建築開発業者の台湾旅行の招待を受け、巨額な賄賂を受け取ったなどと詳細されており、「これらの問題および司法人員の違法は規定に則り、裴副院長の疑惑案と合併して処理し、調査結果は全国人大常務委員会へ報告すること」と記している。
一方、広東省人大信訪問処は25日に、広東省人大に対して同件の調査を催促したかについて、職員は、機密業務であることを理由に、コメントを控えた。また、深セン市羅湖区政府職員は、紅嶺工業区開発で国家資本が流失したことは聞いていないという。