【大紀元日本3月18日】北京当局は国際社会の圧力下、中国エイズ予防活動家・高耀潔医師が、米国婦人権益団体から授与された人権賞授賞式への参加をようやく許可した。しかし、それと同時に、中国国内でエイズ感染者を含む一部の民間エイズ予防活動家は依然として、当局に軟禁されている状態である。ラジオ自由アジア(RFA)が伝えた。
河南省エイズ感染者互助団体「柘城県エイズ予防民間促進会」の発起人・朱龍偉氏は、3月15日に民間エイズ予防会議を参加するために広州へ出かけた際、鄭州で当局に阻止され連れ戻された。朱氏はこれに対して「今年の1月16日から軟禁されている。郷里幹部からは、自分が1月12日に英国エコノミスト紙の取材に応じたからだという。河南省委書記は自分が事実を明かしたことに腹を立てたことから、県を出ることが禁止され、毎日当局の監視を受けている」と語った。朱氏によると、当局は本人と家族に対して電話で、広州へ出かければ、戻ってきたらすぐに勾留すると脅迫されたという。これに対して、朱氏は「非常に理解し難い、自分は国家の関連法律を違反していないし、軟禁されることについても如何なる書類、手続きもないのだ」と怒りを覚え、主張した。
朱氏が発起した草の根団体の本拠地・柘城県では現在、千人以上のエイズ感染者が治療薬品を必要としており、感染者たちは直接または間接的に輸血を通じてエイズに感染したという。しかし、朱氏が在住する双廟村の約400人および別の村の約300人がすでに死亡したという。一方、朱氏の親族だけでも28人が感染しており、その内の12人はすでに死亡したことから、朱氏が民間エイズ予防に参加した大きなきっかけとなった。朱氏は広州の会議に参加できないことについて遺憾の意を示し、「これは私個人の問題ではなく、同県にいる千人あまりのエイズ患者の問題である。同県では20%の患者が薬品に対する耐性が生じたことから、複数の薬品が必要になるのだ。今回の会議は、そのための薬品唱道会議であり、複数薬品による早期予防を促すし、国に対して薬品提供を促すものであり、患者に早めに薬品を与えることによって、死亡を免れる目的である」と語った。
一方、河南省のもう1つのエイズ感染者互助団体「寧陵県康楽家」の責任者・李喜閣氏は、今年の2月より軟禁され、インターネットを含むすべての通信手段が断たれた。唯一時々連絡が取れる携帯電話も、記者からかけた電話はすぐに切断され、後の連絡は取れなくなったという。
李氏は少し前に記者の取材に対して「2月5日から軟禁された。理由として、1つは、高耀潔医師が軟禁されたことで、当局は私が鄭州へ出かけることを恐れている。もう1つは、全人大と政治協商の2大会議開催で、私が会場へ直訴することを恐れているからだ。私は常に警察の監視を受けており、暫く経って、電話も通じなくなり、パソコンも使えなくなった」と明らかにした。
しかし、軟禁中の李氏は、中国国内基金運用における政府主導の改変と基金運用の透明化のために、世界基金項目国家協調委全会感染者類別選挙に積極的に参加し、感染者が求めるものを直接に表現できるようにしたいとの意向を示した。李氏は友人を通じて、自らのHIV感染検査結果を含む報告、参選綱領等をネットにて発表した。一方、一部感染者でない候補者も参選していることから、李氏は政府に対して、類別選挙を操作していると非難した。
李氏は1995年に、帝王切開出産のために病院で輸血を受け、エイズに感染し、2人の娘も母子感染した。2004年、長女はエイズで死亡してから、李氏はエイズ予防と人権主張の活動を始めた。そのために、河南省政府より絶えずに圧力を受けており、一度は刑事拘留されたことがあった。
一方、国際社会から北京当局に対する圧力で、人権賞授賞式の参加ができた高耀潔医師は、米国で各種症例を挙げて、中国でエイズの主要感染ルートが血液であることを訴え続けている。しかし、国際社会の強い関心があっても、河南省当局の民間エイズ予防活動家たちに対する制圧を緩めさせることはできない。
北京愛知行研究所は3月16日に声明を発表し、河南省当局に対して李氏及び朱氏の人身自由を回復するよう呼びかけた。
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