中共領事館前の抗議が政治活動?

2007/05/05
更新: 2007/05/05

【大紀元日本5月5日】博多どんたく祭りに2年連続で参加した実績を持っているにもかかわらず、中国領事館前での抗議活動が政治活動と見なされ、祭りの参加を認められなかった法輪功学習者らが5月2日、法輪功迫害の真相と日本での活動を市民に理解してもらおうと、福岡市で集会を開き、街頭パレードで迫害の真実を市民に訴えた。法輪功側の関係者によると、参加が認められなかった理由が「あまりにも不当である」(法輪功関係者)ことから、その背景には中国共産党(中共)の圧力があったとみている。

地元福岡のほか、東京、大阪、広島などからも集まった約100人の法輪功学習者は、福岡市で集会とパレードを行い、福岡市の中国領事館前で、中共の妨害工作により、法輪功グループが博多の市民文化イベントの一つである博多どんたく祭りに参加できなかったことに抗議した。

博多どんたく祭りは、毎年5月3、4日の2日間行われる「福岡市民の祭り」で、現在では、参加どんたく隊のべ約580団体、出場者約3万1千人、見物客約200万人を誇る一大イベントとなっている。

法輪功グループは2005年と2006年の2年連続でこの祭りに参加しており、踊りや太鼓など、中国の伝統文化を伝えるものとして、各方面から好評を博していた。ところが、祭りを1ヵ月後に控えた3月末、突然主催者側から、法輪功グループのどんたく祭りへの参加は認められないとの連絡があった。福岡市にある中国領事館前で、中国大陸で起きている法輪功学習者らへの弾圧に抗議しているのは、政治活動であるという理由に、関係者は驚きを隠せない。

今回の抗議活動の代表者で、法輪功学習者の朴龍鶴さんによると、「主催者側の言うことは全く理由になっていない。『あなた方が言っている政治活動というのは、何を指しているのか』と尋ねたところ、『中国領事館に対し法輪功への迫害を止めるよう抗議を行っているからだ』との答えが返って来た」という。

法輪功への迫害事情に詳しい関係者は「法輪功への迫害で確認できているだけでも三千人以上が拷問の末、殺された。また、中には、臓器移植のために、生きたまま臓器を摘出された学習者もいることが告発により明らかになっている。中共の歴史は嘘と暴力で塗り固められている。国際社会に対しては経済利益や見せかけの対応でごまかしている。日本は、中国共産党の影響を世界で一番多く受けており、国民の多くはだまされている。法輪功への迫害について、国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルが事態を調査し国連に報告書を提出している。米議会も迫害停止を呼びかける決議案を可決している。国際社会では、中国の人権状況は五輪開催にふさわしくないとして、北京五輪ボイコットの声も各国から上がっている」と言う。

また、集会に参加したある学習者は、「中共による圧力があったからと考えている。日本社会はまだ、中国共産党の本質をよく理解していない。もっと多くの日本の人々に中国共産党の実態をわかってほしい」と語った。

さらに、アメリカNYに本部のある新唐人テレビ局の日本駐在記者によると、新唐人テレビ局記者が「福岡市民の祭り振興会」の責任者に電話取材を行ったところ、「(どんたく祭りへの参加拒否をしたのは)法輪功が政治活動をしているからだ」と答えるだけで、具体的にどういった点が政治活動なのか、との質問には一切答えなかったという。また、過去2年間参加した際は、一切政治活動云々について何も言わなかったのに、今回それを理由にするのは、「中共からの圧力があったからではないか」と質問すると、「そんなことはない」と声を荒げて否定し、一方的に電話を切ったという。

法輪功という気功を通じて「健康な体と他人に対する思いやりのある高い道徳観念を養い、より豊かな社会環境を推進する」ために、日本法輪大法学会は2004年8月27日、特定非営利活動法人(NPO法人)として東京都から認可された。法輪功関係者らは、「(法輪功は)政治色がなく、宗教色もなく、法律上の必要条件に合致している」(東京都)として公的な認証を得ていると主張している。

東京都のNPO法人認可の際にも、中国大使館からの度重なる妨害工作があったことは、石原慎太郎都知事も認めている。都知事は2004年3月8日付の産経新聞コラムで「…その一つの事例は北京政府の法輪功に対するヒステリックな弾圧である。実はかつてNPO制度の発足当時、東京在住の法輪功のメンバーからNPOとしての登録の申しこみが都庁にあった際、在日の中国大使館から陰に陽に、自民党の大物議員まで動員しての牽制があったものだった。…当時の中国側の神経質ぶりにはいささか驚かされた」と

中国領事館前で横断幕を掲げて静かに抗議する法輪功学習者たち(大紀元)

パレードをする法輪功学習者たち(大紀元)

記している。