【大紀元日本5月10日】ニューヨーク・タイムズ紙は5月6日の報道で、「過去20年間、全世界において発生した大規模の中毒事件のうち、約8件は有毒「シロップ」に関連し、大勢の人が死亡した。情報によると、最新の4件の中毒事件のうち、3件は中国産製品による中毒」と報じ、中国はニセ薬の一大出所であると指摘した。
最新の大規模中毒事件はパナマで発生した。中国の業者が有害な工業用溶剤ジグリコール(Diglycol)を薬用シロップとして使用したためだ。パナマ政府がこの輸入「シロップ」を原料に、26万本の風邪薬を製造した。
ニューヨーク・タイムズ紙の報道によれば、365人のパナマ人患者がこの「風邪薬」を服用した後死亡した。そのうち約100人は中毒死と確認できた。パナマ政府調査員は、検査のために、雨季が来るまでに、遺体を掘り出し作業に取り組んでいる。
ジグリコールは冷凍防止剤の主要成分、シロップ状で甘味。人間が服用すると、腎機能障害や、中枢神経系統の異常、麻痺、呼吸困難などの症状を引き起こす。大半の中毒者は死に至る。
ニューヨーク・タイムズ紙の調査によると、46バレル(ドラム缶160リットル換算)ジグリコールは、中国で99・5%の純度のグリセリン(薬品や、食品用のシロップの製造原料、価格はジグリコールよりかなり高い)として、南部の江蘇省から北京、スペインのバルセロナを経由、パナマのコロン市に運輸された。
同紙の報道では、「3カ国の貿易会社3社がこの中国江蘇省産の偽物グリセリンの商売に参加したが、ラベルに記している製品に合っているかどうか、だれも検査しようとしなかった。と同時に、貨物の成分を虚偽記載する書類が繰り返し改ざんされたため、結局、メーカーと最初の所有者の正体を明かすことすらできなかった」と報じた。
最終的には、買主はこの有毒「シロップ」はどこから、誰が製造したのかを知ることできなかった。
また、同紙は、「パナマのこの中毒事件は、中国の東北部の斉斉哈尓(チチハル)市第二製薬工場が昨年にジグリコールを誤用し、多くの死者を出した事件と似ている。中国での関連の安全規定が、世界格安原料供給者としての発展に適していない、という現実が浮き彫りにされた。また、各国の販売管理への監督も不十分であり、その結果、ニセ薬品が全世界の市場で流通できるようになっている」と分析した。
パナマと中国を除いて、インドでも有毒「シロップ」の大規模中毒事件が2回ほど発生、ハイチやバングラデシュ、アルゼンチンとナイジェリアでも、発生したことがある。
十年前にハイチでの中毒事件で、88人の児童が死亡した。米国食品と薬物管理局の調査員が追跡調査した末、中国東北部の大連市のある会社に辿り着いたが、中共当局が米国による現地調査を再三に拒み、1年後に、当局が調査を許可したときに、その会社はすでどこかに移転し、記録も全部処分された。
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