【大紀元日本9月7日】今年6月に中国軍部によるものと思われるハッカー攻撃のため、米国防省・ゲーツ国防長官オフィスのコンピュータシステムなどが1週間閉鎖された。英紙フィナンシャル・タイムズ(9月3日)によると、米国防省関係者の内部情報として、今回のハッカー攻撃は中国軍部の行為とほぼ断定できるという。
AP通信も、米国防省からの情報として、今回のハッカー攻撃の発生を報じ、国防省は攻撃を仕掛けた相手を明かさなかったと伝えた。
中国外交部の姜瑜・報道官は、中国当局による本件への関与を強く否定した。
米政府は、今回のハッカー攻撃によって、外部に漏洩された情報の詳細を調査しているもよう。関係者は、極秘情報が盗まれた可能性は低いとみている。ある米国のベテラン政府関係者は、「中国当局は米政府の非機密メールの受送信を監視している。これは疑う余地のない事実だ」と発言した。
また、米国防省の元政府関係者によると、「今回のハッカー攻撃を通して、解放軍は我々のコンピュータシステムをダウンさせる攻撃能力を持っていることを示した」という。中国軍部は、米軍事企業と政府シンクタンクのコンピュータシステムにも侵入したことがあるとみている。
米第8空軍の指揮官エルド中将は今年6月、イランを含め米国のすべての敵は米国のコンピュータシステムへの侵入を試みているが、実行できるのは中国当局だけであると発言した。エルド中将は2万5千人の専門部隊を率いて、インターネット攻撃などを防ぐ研究に携わっている。
米国防省が最近公表した報告書は、中国当局は専門部隊を結成し、ウイルスなどを開発し、他国政府のコンピュータシステムや、インターネットサイトを攻撃していると指摘した。それに対し、中国当局は、同専門部隊は自衛するためであるとし、報告書の内容を強く否認した。
これまでに、中国当局によるハッカー攻撃の情報は度々報告されている。本年8月末、ドイツ政府部門の多くのコンピュータが、中国からのスパイウエア(ウイルス)に感染していたと同国のメディアが報じたのは記憶に新しい。ドイツの情報機関は、これらのハッカーが中国軍部に関連している可能性が高いと示唆した。一方、中国当局は本件への関与を強く否定している。
AP通信によると、ブッシュ大統領は9月5日、APEC首脳会議での胡錦濤・主席との会談で、この問題を言及する可能性があると発言した。