仏:中国へ核技術提供、廃棄物の処理問題に懸念

2007/11/30
更新: 2007/11/30

【大紀元日本11月30日】 サルコジ大統領が今月訪中時に、仏原子炉メーカーのアレバ(Areva SA)社は、中国より80億ユーロの契約を結んだ。しかし、契約では、仏の核技術も中国に提供することになり、各界より放射線廃棄物の処理問題に懸念が示された。

ウォールストリート・ジャーナル27日の報道によると、アレバ社は欧州市場でもっとも進んでいる加圧水型原子炉の設計図を中国に提供することが重点だという。今年7月、米ウェスティングハウス社が中国と契約した第3代AP1000核技術にて4つの核原子炉を建築する契約でも、技術提供の条項が盛り込まれており、中国が原子炉を建設する可能性をもたらした。

一方、中国当局が自ら制定した核発展三段階とは、①協議により技術確保経路を保つ②協力外国企業へ原子炉建設について諮問する③中国当局が完全に独立した製造態勢を確立することである。

*放射線廃物処理困難、各国から非難

ニューヨーク・タイムズ(11月27日)によると、ここ数年間、米・独・日など原子力発電国家は新しい工場の建築を控えているとし、伊・ポーランドなど原子力発電を行っていない国では、核エネルギーの使用を拒否していることに対して、アレバ社の執行長アニー・ラベアロ氏が獲得した仏・中の交易は、各国から非難の的になっているという。

核反対団体のグリーン・ピースのナサン・アルジェント氏は、「現時点では安全に放射線廃物の処理方法はない」と指摘している。

また、一部の政府は核に反対する世論を重視している。例えば、かつて核エネルギー先進国のドイツでは2020年に核の使用を中止し、スイスも2010年には核エネルギー工場を閉鎖するという。

仏中契約によると、アレバ社は中国広東省核電力公司のために、広東省台山市に2箇所の核発電所を建設し、工場の経営およびメンテナンスの協力をするという。しかし、欧州でもっとも進んでいる加圧水型原子炉の設計図がいずれ中国に渡されるという。

 *中国、原子炉製造技術はない

ウォールストリート・ジャーナルによると、広東核電力公司が台山市に建設される2箇所の原子炉の契約は仏核工業史上最大の国際取引だという。

アナリストは、中国は将来ウェスティングハウスやアレバ社と同様に原子炉を販売する場合、知的財産権の問題が生じると指摘した。この問題を解決するためには、外国技術以外の代替策を提供することだと示した。

これに対して、中国の科学者らは自ら核システムを開発しているが、成功に至っていない。中国清華大学は、中国最大の発電所・華能グループの投資を利用し、2013年に中国東部に自国製のガス冷却炉を出すことを示した。

 (記者・田清、翻訳/編集・余靜)
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