【大紀元日本12月20日】1998年に中国遼寧省に設立された蟻の養殖、蟻製品の開発、販売、副産物加工を主とする農業型企業「蟻力神」公司の代表・王奉友氏が、養殖農家らの投資金を流用したため、農民らは11月20日から3日連続で遼寧省政府庁舎を訪ね、保証金の支払いを促すよう訴えたところ、当局による厳しい弾圧を受けた。
投資金流用の被害にあった農民らは中国政府に対し、①正月前までに元金の30%以上を返済させること②残金は五輪開催までに返済させること③企業代表者・王奉友氏を含む事件にかかわっている政府関係者の罪を厳しく裁くことの3つの要求に応えなければ、2008年1月6日より、関係者らへの訴えを行うと同時に北京五輪をボイコットするための百万人署名活動を開始すると明らかにした。
農民らは中国政府が2008年五輪を過ぎるとこの事件が無視されると予測したため、具体的に行動を取ると政府側に知らせ、民衆の知恵を過小評価してはならないと警告した。農民らは今からこの事件にかかわっている省委員政府関係者らの腐敗の証拠を集め、中央紀律委員会に通報する予定だ。
上述事実は未確認だが、12日に蟻民は「寒さが増した中国東北の一部の農民はすでに財産を使い果たし、食糧も尽きてしまった。政府は王奉友氏を拘留するだけで、数百万人の人民を騙そうとするのは、とんでもない考えだ。政府が保証金の返済をしなければ、北京五輪の開催はさせない」と訴えた。
11月30日の報道で、農民は「養殖農家の怒りが募り、農民らは政府の誤った指導により、このでたらめな蟻養殖事業に参加した。政府側が農家らに賠償しなければ、2008年五輪をボイコットする」と訴えた。
今回の行動は、ここ数日間で中国民衆が失った自己権利を自発的に取り戻そうとする3度目の大規模な権利主張の活動となる。ほかの2回は、黒龍江省の4万人の農民が、政府に奪い取られた1万ヘクタールの土地の所有を主張し、所有権を奪回することを訴えている。また、陜西省黄河三門峡ダム地区の約7万人の農家は、12月12日にインターネットを通じて、外界に対して政府に略奪された1万ヘクタールの土地を奪回したことを明らかにした。
資本金約1億5400万円の「蟻力神」公司は、遼寧・瀋陽地区農業の支えになっており、従業員は8千人あまり、1万3千種類の養殖技術を有し、遼寧省トップの納税企業だ。2006年、「蟻力神」公司は当局商務部の直接販売が許可された。ところが、今年11月末、天璽グループおよび傘下の9つの企業が裁判所に対して突如破産申告し、受理され公告が出された。農民らは当局政府関係者も多数加わっているとみて、保証金の支払いを求めた。
11月20日、遼寧省政府庁舎前に各地から集まった数万人の「蟻力神」の蟻養殖農家は、未払い保証金を求めたが、当局は完全防備した武装警察を派遣した(写真:農民提供)
「蟻力神」公司による契約不履行のため、11月20日より22日までの3日間、数万人の遼寧省各市・県の蟻養殖農家は省政府庁舎前に集まり、投資した保証金の支払いを求めた