【大紀元日本12月29日】訪中中の福田首相は12月28日、北京大学で日中関係について講演した。北京大学キャンパス構内や周辺には公安、武装警察および警察の車両がいたるに配置されていた。厳重な警備態勢の中、直訴者ら100人以上が請願書類など訴えたい内容をメディア関係者らに伝えようと、北京大学の周辺に集まったが、二十数人が講演会場の外で警察に拘束され、馬家楼収容センターへ連行された。
現場の目撃者・劉さんによると、当日の北京大学周辺の警備は極めて厳しく、午後1時ごろ、直訴者100人以上が会場周辺に集まり、直訴者のうち28人がキャンパスに入れたが、他の直訴者は警察に拘束された。しかし、キャンパス内に入れた28人も警察に発見され、全員が大型バスに乗せられ連行されたという。
本紙記者は当日夕方、連行された河北省の直訴者・陳連清さんと連絡が取れた。陳さんは「自分は午後1時過ぎに拘束され、すでに2時間以上にバスに閉じ込められている。食事もできない、トイレにも行かせてもらえない。バスには20数人の直訴者がいる」と語った。
直訴者の1人、段さんによると、娘は友人複数にて息子と共に殺害されたという。公安はすぐに主犯格の友人を見つけて裁判に掛けて無期懲役の刑に処したが、共犯らは司直の手を逃れている。段さんは亡くなった娘のために直訴すると語った。
また、河北省石家荘の直訴者・陳連清さんは、父親が隣人にひどく殴打され死亡した。陳さんは事件発生当日に、地元の司法機関が殺人容疑者を釈放したとし、陳さんは3年にわたり訴えたが、地元の司法関係者は一向に問題を解決してくれなかったと語った。陳さんによると、隣人は地元の有力者であるため、警察側は未だに犯人の逮捕に至っていないという。
陳さんによると、隣人は強制的に土地を占領したという。隣人は、建築材料などを陳さんの自宅の外にわざと置いたりして、外からの光を遮ったため、父親は禁止告示を張り出した。これに対して、隣人は何度も言いがかりをつけたという。隣人の不法行為に対して、居住委員会事務所の者も非難したという。
陳さんは、「事件直前、隣人はまたも窓からの光を遮ろうとしていたため、父親はそれを阻止した。それため、父親はその場で隣人と一緒にいた6人にひどく殴打され、針らしき凶器で心臓まで刺され、肋骨は5本が折れて死亡した。証言する目撃者がいる。その前に、彼らは何度も自分の両親を殺すと脅した」と語った。
事件後、地元地方公安はいい加減に事件の調査を終了させ、被害者の遺体鑑定はしなかった上、殺人容疑者をかばった。陳さんによると、公安は初めのころに、事件として立証しなかったが、3年以上訴え続けた後にようやく立証された。しかし、犯人逮捕には至らなかったという。
陳さんによると、心臓病および糖尿病を患っている70歳の母親も何度も直訴したが、同様に拘束されたという。陳さんは「政府はわれわれに直訴させないのだ。今回は日本の福田首相が北京大学で講演を行うと聞いて、報道メディアおよび記者らに訴え、われわれの代わりに呼びかけてもらいたい。自分が逮捕されてもいい、父親の冤罪(えんざい)を晴らしたい」と訴えた。
直訴者を拘束・連行する大型バス
厳重な警備
父親のために直訴する陳連清(左)および娘のために直訴する段淑蘭さん
報道関係の車両
キャンパス内の警察車両
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