【大紀元日本3月31日】チベット武力弾圧から中国共産党(中共)の本質を見る緊急討論会「チベット虐殺から中国共産党と08年五輪を見る」が3月29日、東京・駒込で開かれた。民主活動家やウイグル人権活動家などが講演者が1989年6月4日の天安門虐殺事件や、ほとんど報道されていない1997年の東トルキスタン(新疆ウイグル自治区)の武力鎮圧事件などを紹介したほか、法輪功迫害真相調査連盟(CIPFG)アジア調査団の日本関係者らが、北京五輪開催前に中国で悪化している人権迫害停止を求める「人権聖火リレー」と「世界100万人署名」への協力を呼びかけた。
この討論会は、大紀元時報と新唐人テレビが共催。2004年11月に本紙に発表された「九評共産党(中国共産党についての九つの論評)」で明らかにされた中国共産党の「うそと暴力」の本質をあらゆる角度から検証する「九評討論会」の一環。
最初に講演したイリハム・マハムティ氏(ウイグル人権活動家)は、1997年2月5日に東トルキスタンのグルジャ(新疆ウイグル自治区イリ県)で行われた抗議デモへの武力鎮圧について話した。当時は、現地で撮影機器やインターネットがまだ普及していなかったことから、世界に事件の模様を発信することはできなかったため、ほとんど知られていない。当時のウイグルの状況は、中国人労働者の流入によりウイグル人が失職するという、現在のチベットと同様であった。それに抗議する平和的なデモが行われたのだが、250人のウイグル人が当局の武力鎮圧や拷問により死亡したという。
ウイグル人権活動家・マハムティ氏(大紀元)
武力鎮圧で負傷したウイグル人を介護した医師や看護師なども逮捕され、半年後に解放された看護師の一人は妊娠しており、精神錯乱状態で三日後に交通事故で死亡したという。マハムティさんは、「決して暴動などはなかった…中国の少数民族には人権がない」と訴えた。
ウイグルの農民たちは、3月~4月までの二ヶ月間、無料奉仕の労役を課されるが、食事代などもすべて負担しなければならず、化学肥料や農業機材なども、政府が指定したところで、市場価格よりも高めに購入させられるため、年末の支払いになると手元に残る現金は少ないという。
最近問題になっている若いウイグル女性の域外強制就労について、これまでは15歳から25歳の女性が対象になっていたが、今年からは、19歳にまで引き下げられ、ホームシックになりやすい年ごろなのに、「実家に電話すらさせない」という。
こうした理不尽な政策に抗議することすら命懸けであるという。「抗議すれば、戸籍が失われ、職も失い、村から追放されてしまう」とマハムティ氏は悔しさをにじませながら語り、「今日のチベットは、わたしたちのチベット」として、チベット虐殺は他人事ではなく、民族の垣根を越えて、協調し、中共の暴政に対して立ち向かっていくことを訴えた。
中国民主陣線日本支部代表の林飛氏は、今回のチベット虐殺を89年天安門虐殺と重ね、北京五輪を目前にした今、民主活動家らは、CIPFGの人権聖火リレーを支援・協力することを確認した。
中国民主陣線日本支部代表・林飛氏(大紀元)
一橋大学大学院で研究を進めている法律学者・李軍氏は、89年天安門虐殺時に北京にいたことから、「民衆に発砲すること自体、民主国家では許されない」と中共政府の武力鎮圧を非難し、人権聖火リレーという形で国際社会から中共政府に圧力をかけていくことの有効性を評価した。
法律学者・李軍氏(大紀元)
李氏は、今回のチベット虐殺を憲法学と国際法学の両面からとらえ、①国際社会の要求②チベット人の要求③ダライ・ラマの非暴力主義の重要性を主張した。特に、非暴力主義については、法輪功への迫害抗議運動も同様で、忍耐強く平和的に訴えていくことが、文明国家へのプロセスであるとし、「いかなる独裁政権であろうとも、歴史の潮流を止めることはできない」と主張した。
最後に、CIPFGの日本事務局の牧聡士氏が中共当局による法輪功への迫害について説明し、アジア調査団の安東幹副団長が、人権聖火リレーと現在、世界で同時に行われている「世界100万人署名」への支援と協力を求めた。
CIPFGアジア調査団の安東副団長(大紀元)
CIPFG日本事務局・牧氏(大紀元)
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