四川大地震前の異常現象続出、予知情報を握りつぶした疑惑

2008/05/13
更新: 2008/05/13

【大紀元日本5月13日】中国四川省汶川県で5月12日に発生した大地震について、現地では、十数日前から、地震発生の噂が流れていたことが判明、現地政府は当時、捏造であると市民に説明、デマの撲滅を命じていたことが明らかになった。また、現地の地震局が事前に地震発生の兆候を掴んだが、社会安定のために、公表しなかったとの内部関係者の証言も流れている。

現地の情報によると、十数日前から、アバ・チベット族チャン族自治州では、近いうちに地震発生の噂が流れていた。住民らは州政府の「防震減災局」に確認の電話をしたが、同局は捏造の情報である、と明確に答え、情報の出所を探り出し、責任追及するよう命じ、四川省政府のホームページで、「捏造情報を説明する」との内容の公告まで出していた。

当時掲載されていた政府公告

「四川省人民政府」が5月9日、ホームページで掲載した「捏造情報を説明する」との公告の全文:

「 アバ・チベット自治州防震減災局」が地震発生の捏造情報事件を撲滅した

5月3日夜8時ごろ、 アバ・チベット自治州防震減災局が住民からの確認電話を受けた。「馬爾康県の梭磨郷の馬塘村で近いうちに大地震が発生する、村の幹部は村民に対し、屋外での避難を勧告している」との説が事実なのかを確かめる電話であった。この電話を受けた後、同局がすぐに、その支局である「馬爾康県防震減災局」に対し、捏造情報の出所を突き止め、デマを消し、誤報の蔓延を防ぐことを命じた。通達を受けた馬爾康県防震減災局は梭磨郷の町役場に関連の状況を伝えた。町役場はすぐに捏造情報の出所の究明に着手した。その後の調べで判明したのは、県の「地質災害予防工作」のテレビ電話会議の際に、村の幹部が「地質災害」を「地震災害」と聞き間違えたためで、誤報が伝えられた。

同自治州防震減災局が迅速に状況を説明し、町役場と村の幹部が自ら説明を行った結果、村民の恐怖が払拭され、現地の農業生産活動が迅速に再開した。

上記の四川省政府の公告は地震直後に削除された。それについて、ネット利用者の間では、「政府は一貫して政治の安定を図るのを最優先にしている。今回も事前の情報を故意に隠ぺいして、住民に通達しなかったため、多くの命が奪われる羽目になったのでは」などの質疑の声が強まっている。

叔父が四川省地震局に勤めていると自称するネット利用者の書き込みによると、その叔父はこの前に、彼(政府機構に勤めている)に電話をしてきた。事前に地震発生の兆候を掴んだが、局はこの情報の外部への漏洩を禁止すると通告した。五輪開催前の社会の安定を図り、恐慌を防ぐためである、と話したが、叔父はそのことが非常に心苦しかったという。

そのほかでは、5月7日から、インターネットサイトでは、利用者らが、近いうちに武漢と四川省の周辺地区で大地震が発生する との書き込みが出されていたが、確実な証拠がないため、公表できなかったという。

多くの人が地震数日前から、「地震雲」を観測した、と書き込みしていた。下記のネット写真は5月9日のネット発言である、当人は臨沂市(山東省東南部の地方都市)で地震雲を発見した後、このことをネットで書き込み、近いうちにM6以上の地震の発生を推測していたという。

該当の書き込み

地震前から、様々な異常現象が発生

今回の大地震の数日前から、中国国内で多くの異常現象が発生した。

四川省の綿竹地区では、数十万匹のヒキガエルが大移動したことが確認された。中国国内紙「華西都市報」の5月10日の報道によると、綿竹市西南鎮檀木村では、ヒキガエルの大移動が発生した。数十万匹がある製薬工場付近の道路を移動していた。

また、地震2日前の5月10日、江蘇省泰州市の東風路東風橋の路上で、大量のヒキガエルが道路を横断していたのが確認された。

湖北省恩施市のため池・観音塘の8万トンの水が忽然と消えた

地方紙「楚天都市報」の5月5日の報道によると、湖北省恩施市白果郷の下村坰村のため池・観音塘では、8トンの水が忽然と全部消えた。同ため池は円形で、直径約100メートル、深さは数十メートル、4月26日朝7時ごろ、これまで静まっていた水面に突然渦巻きが発生、雷音のような音が伴っていた。それから5時間足らずの間に、水が全部消えた。

これらの異常現象と今回の地震の接点はまだ解明されていない。

(翻訳・編集/叶子)