四川大地震:北川県で消毒剤が自然発火、百人近くが呼吸困難と嘔吐

2008/06/02
更新: 2008/06/02

【大紀元日本6月2日】中国四川省北川県擂鼓鎮で3日連続、消毒剤自然発火事件が発生した。5月30日午後、北川中学の校門付近で漂白粉が自然発火し、百人近くに呼吸困難や嘔吐などの症状が現れた。

「広州日報」によると、四川大地震で被害の大きかった北川県の擂鼓鎮で30日午後3時35分前後、突然道路が濃い白煙に包まれ、さらに風向きに沿って北川県の街に向かって拡散していったため、被災地区の人々は鼻を覆って逃げだした。

自然発火を起こしたのは被災地で使用する消毒剤のジクロロイソシアヌル酸ナトリウムと漂白粉などの粉剤で、あわせて十数袋、重さ約1トンだった。これらは自然発火後、塩素を発生させ人体に有害である。

現場の防疫作業員は、これはすでに擂鼓鎮で3度発生していると話している。

5月28日晩、擂鼓鎮は突然の大雨に見舞われ、救災指揮部の物資置き場にあったジクロロイソシアヌル酸ナトリウムと漂白粉などが雨に濡れ自然発火を起こした。多くの現場運搬員に催涙、強烈な頭痛や咳などの症状が現れた。

翌29日午前8時過ぎに擂鼓鎮で消毒用の漂白粉が置いてあった小屋に雨水が浸入し、化学反応を起こして濃い煙が発生したため周辺の2千人以上が緊急避難した。この取り除き作業中、61人の兵士が塩素中毒にかかり、緊急に病院に運ばれ手当てを受けている。

事件発生時、同鎮の倉庫には少なくとも数十トンの消毒剤が貯蔵されていたという。前に起きた2回の自然発火の後、現場にあった大部分の関連薬品は、29日午後に付近の旧工場の廃屋の中に移された。しかし、残っていた1トン前後の薬品は処理が間に合わなかったため、30日に自然発火した。

(翻訳・市村)