【大紀元日本6月16日】中国の胡主席が訪日の置き土産として残した「レンタルパンダ」に反対する市民団体が15日午後、東京・上野動物園前で署名活動を行った。この活動を主催している「レンタルパンダいらない署名運動・東京」は、胡主席の訪日終了直後からこの活動を一月以上行ってきており、インターネットでも署名を受けつけ、関係者によると既に収集した同意署名は2000件以上に達したという。
先の5月6日からの日中首脳会談で、福田首相は中国主席からの申し入れを受け、パンダ一対の年間レンタル料3億円を受諾決定した。パンダが元々チベット領内の動物で、チベット自治区内の人権問題に進展が見られないこと、毒ギョーザ事件が未解決なこと、スーダンのダルフール問題など、中国共産党のこれまでの無軌道ぶりに、同市民団体は休日の道行く一般市民らに公憤の声を挙げ投げ掛けている。
街頭で実際に署名を集める関係者は、「この運動には、日本市民の老若男女がまんべんなく署名している。既にインターネットなどでの署名をも含めると2000件以上に達したが、どちらかというと男性よりも女性の方が敏感に反応している。家計を預かる主婦の方が、こうした税金を注入する問題には鋭敏なのではないか」と述べている。
同団体の関係者によると、実際の街頭での署名活動では、日本人の署名の他には、特にフランス人とドイツ人が興味を示して積極的に署名してきており、ここでもチベット問題に対するのと同様に民主的な関心の高さを伺わせている。他のアジア諸国、特にインドやミャンマーなど東南アジア諸国の国民などではまだ署名している者はなく、「…問題意識そのものがないのでは…」とこうした場面でも欧州人の問題意識の高さが目立っているという。
近年、台湾などでは大陸から送られてくるパンダを「トロイの木馬」と揶揄批判して論を興す風潮があったが、3月の大統領選で大陸寄りの馬候補が勝利したことにより風向きが変わった。日本では、1972年の日中国交正常化以来、パンダは日中善隣の象徴として子供を中心に大衆に親しまれてきた。しかし、チベット問題、毒ギョーザ事件など、ここ最近の中共の失態が目立ってきたことと、日本国内の社会保障の後退などにより、一般市民の目も「税金を注入してまで…」と見直す厳しいものに変わりつつあるというのが現状のようだ。
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