行政執行者の暴力に抗議、江西四川両省で大規模群衆事件

2009/04/01
更新: 2009/04/01

【大紀元日本4月1日】3月30日、31日二日間、中国南西部の江西と四川両省の中等都市で連続に1万人規模の群衆抗議事件が発生した。二つの事件とも、都市管理行政執行者の暴行により普通市民が死傷したのはきっかけであり、怒りの群衆が市の繁華街で集結、デモ行進を行い、都市の交通を遮断した。

江西省萍郷市:59歳男性暴行で死亡

3月30日、江西省萍郷市市民陳茶珍さんの自宅を、都市管理行政執行者約20人

江西省萍郷市30日の抗議事件で、警察の車は住民に押し倒され横転した(中国ネット上掲示板写真)

が訪ね、建設中の建物を違法建築物を理由に取り壊し始めた。双方は口論になり、行政執行者らは陳さんに暴行を加えた。現場に駆けつけた陳さんの兄(59)を、道路脇の溝に押し倒し暴力を加えた。その後、陳さんの兄が死亡した。

憤りを覚えた家族と集まった村民らは行政執行者らの車両5台を持ち上げ横転させた。死者の遺体を国道320号へ担ぎ出し、道路を塞いだ。午後、約1万人の民衆が集まり、交通が麻痺した。萍郷市公安局は数百人の警察官を出動させ、群衆を退散させた。

四川省南充市:学生が暴行で重傷

3月31日、四川省南充市でも、都市管理行政執行者の暴行で学生が重傷となったことをきっかけに、学生を中心とした大規模の群衆抗議事件が起きた。

目撃者の市民によると、繁華街で野菜売りをしていた老婦人が、都市管理行政執行者に販売行為を止められ、暴行を加えられた。それを目撃した学生らが理不尽な暴力行為に憤り、行政執行者と衝突した。そのうちの一人が殴られ重傷となった。

現場には目撃者が大勢おり、学校から帰宅した学生も沢山いたため、短時間で数千人が集まった。行政執行者の暴力行為に怒りを覚えた人たちは付近の高層ビル前に集結し、デモ行進を行った。市の中心地と駅前などで群衆が抗議を行ったため、市の交通が麻痺した。

目撃者によると、午後8時、市中心地で多くの人が集まった。一人の若い男性が、

「申冤(濡れ衣を晴す)と書いたバナーを掲げると、その瞬間群衆が一斉に大きな声を出し、現場にいた群集は激高した。しばらくして、バナーを掲げた青年は警察に連行された。

中国は近年、都市管理行政執行者の暴行により死傷者が出る事件が続行。先月、都市管理行政執行者の暴行に抗議する大規模な群衆事件が多く報道された。3月23日、北京市内でも、都市管理行政執行者が女性販売員に暴行を加えたことをきっかけに、都市管理行政執行者らを取り囲み、一部地区の交通が完全麻痺となった事件が起きた。

(記者・古清児、翻訳編集・余靜)