これは「中国政府の恥」 帰国拒否され成田空港に留まる中国人

2009/11/06
更新: 2009/11/06

【大紀元日本11月6日】「中国政府の恥」「国あれども帰れず」。母国を批判する標語を掲げて、11月6日現在も成田の東京国際空港内に留まる中国人男性がいる。

中国・上海に本籍をもつ馮正虎(フォン・ジェン・フー)氏は帰国のため、11月3日夜、日本の全日空機に乗って上海浦東空港に着いたが、中国入国は認められず、翌4日午前、日本へ強制送還された。同氏は、今回の中国側の不当処置を訴えるため、日本への入国手続きを取らず、空港内に留まっている。

馮氏は今年4月1日から日本に短期滞在していたが、同氏の帰国を許さない中国側によって、6月7日から7月31日までの間に、すでに7回もの入国拒否を受けている。中国当局による同氏への「追い返し」は、今回で8回目。

馮氏によれば、今回の帰国では中国警察による暴力と不当拘束を受けたという。翌4日に全日空機で強制送還される際にも、中国側の非道を訴え日本への強制送還を拒否し続けたが、同氏には中国側の私服警官がつき、飛行機の座席に着くことを拒否する馮氏を、力ずくで座席に押さえつけたという。この間、中国側は全日空機に対して、馮氏を乗せなければ日本へ向かうことはできないと脅迫的な圧力をかけたため、予定の時間を1時間遅れて同機は上海を出発した。この過程について馮氏は、「乗客の全てが証人だ」と話す。また同氏は、すでに日本側の関係部門に対して、この間に中国警察から受けた暴力と不当拘束について伝えるとともに、日本への入国手続きをしない意志を告げたという。

このような自身の態度表明について馮氏は、「主権国家である日本は、帰国を希望する中国公民の権利を侵害している中国当局に加担しないでほしい」と述べた上で、「もし日本政府が、中国に帰ることを望んでいる中国人(私)を日本に留め置くならば、日本に不法滞在している中国人を莫大な国費をかけて送還することをせず、すべて日本に置いてやったらよいではないか」と語った。

馮正虎氏は、中国の復旦大学を卒業後、上海財経大学教師、上海企業発展研究会会長などを歴任。2000年に、自身が編集した電子書籍『上海日系企業要覧(2001年版)』を合法的に出版したが、同年11月12日、上海の警察によって逮捕され、上海市裁判所に「非合法的経営の罪」で3年の実刑および罰金刑を言い渡された。

今年3月に釈放された馮氏は、一貫して自身の冤罪と、法律を無視した上海当局の非合法性を訴えるとともに、中国公民がもつ正当な権利を主張し続けている。

そのような馮氏に対する上海当局の一連の処置は、国家権力に反抗する者への恫喝と、他者への「見せしめ」の意味があると見られている。

(記者・張本真、翻訳編集・牧)
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