【大紀元日本5月14日】5月12日、死者8万人以上を出した四川省大地震から2年が経つ。大部分の被災者は借金をして新たに家を建てた。だが、「おから工事」が原因で校舎が倒壊し数千人以上の児童や学生が死亡した教訓は虚しく、再建された民家も「おから工事」だったことが明らかになった。
「私は卵で政府官員は石」
四川省大地震で起きた最も痛ましいこととして、おから工事により建設された校舎の下敷きになり多くの児童が死亡したことが挙げられる。震災から2年、我が子のために正義を求める親たちは、現地当局から圧力をかけられている。
被害の大きかった都江堰の住民である周厚榕(ゾォウホォウロン)さんは、一生忘れることはできないだろうと涙を浮かべながら話す。この地震で12歳の娘を失った周さんは双子の男児を出産したが、娘を失った心の隙間を埋めることは出来ず、つらい気持ちで日々過ごしているという。
当局に対する不満についての質問に対し、周さんは、自分は卵(のように弱く)で他の人(政府)は石。不満を持ったところでどうなるのかと答えた。被災地では多くの母親が新たに産んだ子供を抱いて幸せそうに見えるが、亡くした子供の話になると涙が溢れ出す。
被害者の家族は、学生の多くが校舎の下敷きとなり死亡したのはおから工事が原因と考えている。中央政府指導者は徹底的な調査を承諾したものの、地震から1年後、政府は学校倒壊の原因は人災ではなく天災とし、追及要請には対応していない。譚作人(タンゾウレン)、艾未未(アイウェーウェー)、冉雲飛(ランユンフェ)および王笑冬(ワンシャオドン)などの人権活動家が犠牲者の家族のために正義を求める活動をしたが、これにより譚作人氏は政府に国家政権転覆扇動の嫌疑をかけられている。艾未未氏は成都に潭氏を応援しに行った際、攻撃にあった。さらに、王笑冬氏は行動を監視され、活動の場からは追い払われる状況だ。
立て直した新居もおから工事 「材料減で4割の儲け」
陳家壩(は)郷の双奨(スウアンジャン)村で震災後に建てられた30棟近くの2階建ての家屋は、地震で家屋が倒壊したか倒壊の危険のある家屋、道路建設のための土地徴用などで影響を受けた被災者のために建てられた。しかし被災者らが借金して買った新居は、材料のごまかし、施工の質の低さ、工事監督の不行き届き、計画不備の問題で、一部の家屋では大量の鉄筋がむき出しとなり、ある家では天井板に2メートルの大穴が開いている。また、ある村民は数日前からの雨で、部屋にひどい雨漏りが起きていると指摘している。
被災者たちは郷政府に対し、建設会社の施工の質の低さを訴えたが、解体、再建は認められなかった。香港の構造エンジニアは現場の写真を見て、これらの民家を「おから工事」と鑑定し、柱が不安定で倒壊の危険があるとしている。
この問題について現地で取材をしていた香港の記者は派出所に連れて行かれ、取材メモやカメラのメモリーカードを没収されたという。
同省北川県の良心的な建設業者によると、被災地区の再建で、政府官員は企業側と結託する腐敗問題を指摘している。政府官員は、100万元の工事を企業側に委託すると、企業側に少なくとも数万元のリベートを要求する。工事を請け負った建設会社は材料をごまかすことで、40%もの純利益に達するという。「被災者たちの血と汗で作られた金が、命を落としかねないおから工事の家にしてしまうのだ」とこの建設業者は嘆いている。
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