【大紀元日本5月19日】中国中南部地区では今月5日から豪雨が集中し、10の省・市で洪水が発生。17日までに86人が死亡、16人以上が行方不明。被災人口は1039万人に達したとの情報も寄せられている。農地の被害も深刻なもよう。
今回、洪水が発生したのは安徽、福建、江西、湖北、湖南、広東、貴州、四川、広西、重慶市。住宅などの建物が流され、暴風や雹の被害も起きている。倒壊した家屋は8万棟を超え、延べ40万ヘクタール以上の農地が被害を受けた。
広東省広州市では7日から14日までの1週間に3回の豪雨が発生し、降雨量は440ミリに達した。これは、年間平均降水量の4分の1に当たる。1908年に広州市で気象観測が始まって以来の記録となった。広東省全域の被害総額は10億元(約140億円)を上回る。
各地で異常気象が続く
北西部の新疆ウイグル自治区南部の博湖県では14日夜から15日にかけて大雪が降り、15日の日中最高気温は3・3℃。直近の最高気温から20℃以上下がった。約7400ヘクタールの農作物が被害を受けたという。
一方、2009年秋から、南西部の雲南、貴州、広西、四川、重慶では百年ぶりの大干ばつが発生。被災人口は5千万人を超え、500万ヘクタールの農地が被害を受けた。一時は2千万人の飲用水が不足する事態があった。現在でも、雲南や貴州では依然として800万人の飲用水は補給に頼っている。
環境問題の専門家は、中国の水問題を「三つの災い」とまとめた。すなわち、「水が多い災い、水が少ない災い、水が汚い災い」で、洪水、干ばつ、深刻な水質汚染問題を指している。
40年間、中国水利部のトップを務めてきた銭正英・部長はこのほど「アジア週刊」の取材に応じ、「中国南西部および東南アジアの大干ばつは、中国国内の水資源の過度な開発による結果」と初めて認めた。中国国内の専門家らは、「気づくのが遅すぎる」と厳しい評価を下している。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。