【大紀元日本5月27日】25日午後、黒龍江省ハルビン市の伝染病病院に、医療ミスで憤る患者の家族らがつめかけた。同病院が、はしか治療で少なくとも17人の児童に、使用期限が半年前に切れた点滴を使用したためだ。点滴後、児童たちは症状が悪化し、うち1人は昏睡状態に陥り、生存率10%と病院側に伝えられた。しかし、当局は症状の悪化は点滴によるものではないとしている。中国紙「黒龍江晨報」が報じた。
24日午前から、ハルビン市の伝染病病院ではしかのために点滴を受けた児童たちに異変が起き始めた。「点滴を受けているうちに、子供の呼吸が時折困難になり、激しい嘔吐に襲われた」。蘭麗さんが、8ヶ月の子供の異変に気づき、点滴容器を確認したところ、「製造日2008年5月21日、使用期限2009年10月」と表示されていたという。
21日から治療を受けた張勇さんの9ヶ月の子供も同種の点滴を受け、24日になって子供の症状が急激に悪化した。昏睡状態に陥った子供は集中治療室に運ばれ、「生存率10%」と病院側から言われたという。
患者家族の訴えに対し、ハルビン市衛生局は期限切れ点滴の投与を認めたものの、点滴による副作用はみられないとしている。症状が悪化したケースも、はしかによるもので、点滴には関係がないと話した。
期限切れ点滴を投与した原因は、担当の看護師らが確認を怠ったためで、25日に担当看護師と上司が処分された。しかし、患者家族は「症状の悪化は医療ミスによるものではない」との病院側の態度に納得できず、不安と不信感が募る一方だ。
中国では3月、山西省でワクチンを接種された子供の100人近くが死亡または後遺症に苦しんでいることが「中国経済時報」の報道で明らかになったばかり。問題のワクチンは数十時間高温と陽光に晒されていたため変質した、という同紙の指摘に対し、山西省衛生局は「事実無根」だと反論している。