上海万博事務局、人身事故を否定 関連報道の削除も

2010/06/01
更新: 2010/06/01

【大紀元日本6月1日】5月30日に上海万博韓国館で発生したファンらが当日夜に予定されるコンサートの無料チケットを巡っての混乱事件について、一部の大陸メディアを含めて台湾や海外中国語メディアが同日、ファンの少女1人が転落して死亡したと伝えた。これに対して上海万博事務局は31日、公式サイトに声明を掲載、「チケット配布は良好な秩序の中で行われた。少数の来場者が暑気に当たったり、擦り傷などを受けたりしたが、会場の医療センターまたは万博の指定病院に直ちに送られた」と説明し、死亡者が出る人身事故があったことを否定した。

一方、中国ネット上で人身事故の関連報道や、ネットユーザーから各掲示板に提供された情報や発言に対する削除作業も行われている模様。5月30日捜索エンジン「蒙眼捜索」で「世博会 踩踏」(中国語で万博、将棋倒しの意味)をキーワードに検索したところ、少女転落死の内容を含む多くの関連内容が出ていたが、翌日の31日にはこれらのサイトの多くは内容が削除された。

これに対しネット上には、「当局が否定の声明を出したのであれば、むしろ事は本当だろう」などの発言も多く見られ、当局の規制が却って情報錯綜と万博当局への不信を煽る様相を呈している。

一部の大陸サイトメディアも含めた報道によると、30日夜に韓国館で、中国で爆発的な人気を誇るバンド「スーパージュニア」や、人気歌手・BoAなどが出演するコンサートが予定されていた。主催者側は、万博の入場券をコンサートのチケットと無料交換する条件で、5千枚のチケットが用意されていると発表していたため、当日未明から多くのファンが殺到し、チケット交換が始まった時には約2千人の長蛇の列になっていたという。

しかし、主催者側が500枚のチケットを交換し終わった時点で打ち切ったため、待っていたファンの怒りが爆発。激怒したファンが主催者側や警備員を怒鳴りつけ、押し問答する人、殴りかかる人も目立ったという。パニック状態となった人々が一斉に走り出したため将棋倒しが起こり、さらに百人以上がけがしたという。目撃者は「何人もの女性が倒れ、その上を人々が踏んで逃げた」「現場は泣き叫ぶ人がいっぱいで、靴などが、あちこちに散乱していた」と話した。

この大混乱で千名以上の武装警察が出動し、数十台の救急車がけが人を病院に運んだという。

また、台湾「中国電視公司」がこの騒動について、女性ファン1人が混乱中に転落死したと伝えている。 なお、コンサートは厳戒のなか、1時間以上遅れて開催されたという。

(翻訳編集・張YH)
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