【大紀元日本6月10日】中国東北部の黒龍江省伊春市で8日、直訴を受付ける政府機関「信訪局」の局長が、直訴者に刺殺される事件が発生。加害者はその直後に服薬自殺を図った。
別の直訴者の証言によると、加害者は于洪双(50代、男性)。8日午前9時半頃、同市帯領区の「信訪局」を訪れ、直訴しようとした。魏広村・局長は于洪双に対し、大声で罵声を浴びせ、物を投げつけたという。怒り心頭に達した于洪双は、用意していたナイフで局長を刺殺し、そのそばで服薬自殺をはかった。
于洪双の妻は、かなり前に病院に入院した際、偽薬を投与され、体の腐乱が止まらなくなった。妻自身が何度も北京へ行き直訴を試みたが、まったく対応してもらえなかったという。その後、妻は毒薬を飲んで自殺した。以来、于洪双は妻の遺志を継いで、長年直訴を試み続けたが、政府機関は依然として取り合ってくれなかった。2007年6月、直訴が理由で、強制労働収容所に1年半監禁された。2009年初めの釈放後は、養老施設に収容され、行動を制限されてきた。
これまでに、于洪双は幾度も信訪局に直訴を試みたが、毎回、魏局長から罵倒され、ときには暴力を振るわれた。今回、于洪双はナイフと毒薬を事前に用意して直訴に向い、局長を刺殺した。
近年、中国国内で官民対立が日増しに激しくなっており、今回のような極端なやり方で幹部に復讐するケースが多発している。
(翻訳編集・叶子)