米国にもファデンを!米国のあらゆるところに中共浸透か

2010/07/27
更新: 2010/07/27

【大紀元日本7月27日】「ファデンに脱帽!」「カナダの最も才能ある公務員を失わないように」……最近、カナダの世論から多大な人気を博したリチャード・ファデン。カナダ安全情報局(CSIS)の長官を務める同氏が、中国胡錦濤国家主席のカナダ訪問の前夜に、北京当局など外国勢力がカナダの社会と政界に浸透していると発言した。

ファデン長官は発言の中で、いくつかの華人団体を名指しした。これらの団体は、現地の法輪功学習者に対して妨害活動をしてきた。

同発言によって注目や物議を引き起こしたが、人権専門家は、法輪功への妨害などにおいては、カナダより米国の方がより深刻だと指摘する。

江沢民が1999年7月20日に法輪功弾圧を開始して以来、中国共産党政権は、拷問などを通して法輪功学習者を迫害し、虚言で中国の国民を騙してきた。また、外交・貿易などのあらゆる分野で、スパイ派遣などの手段を使って、全世界にわたるスパイ活動を行い、各国政府の高官に利益を提供し、法輪功迫害について沈黙するよう取りはからってきた。

11年来、民意を代表する多くの国の国会や議員、自治体の責任者たちは、相次いで中国共産党政権による法輪功迫害を譴責している。しかし、国家を代表する各国の政府首脳は、中国共産党政権による人権侵害や言論の自由への抵触、チベット問題、新疆問題などは批判するが、法輪功迫害に対する公然の譴責はかなり限られている。

法輪功迫害を譴責する世界初の国家

カナダ政府は世界ではじめて中共の法輪功迫害を公然と譴責し、繰り返し態度を表明している。2000年7月、カナダ総督が法輪大法週間に向けて祝辞を寄せた。これは国家元首が法輪功を讃えた最初の例となった。

2001年2月、カナダ首相が北京で江沢民・朱鎔基と面会した際、不法な法輪功弾圧の問題に言及し、2005年、カナダ首相はさらにカナダを訪問した胡錦涛国家主席にこの問題を提起した。そして、カナダ外務大臣も幾度にもわたり、中国の指導者たちに法輪功の問題を提起してきた。

2006年から今日まで、カナダ首相は4年連続で「法輪大法の日」(5月13日)に祝辞を送り、7年連続で神韻公演に祝辞を送っている。首相のほかに、総督やカナダ政府の多くの大臣などが神韻の公演に祝辞を寄せてきた。

2009年、カナダは国連で声明を発表し、中国共産党に人権問題の改善を求め、法輪功などの迫害の被害者に関する状況に注目するよう促した。カナダ政府と議員の協力で、迫害を受けていた数名の法輪功学習者がカナダに救出された。

昨年12月4日、カナダ首相は初の中国訪問で演説を行い、カナダ政府は、中国との貿易拡大を追求するために中国共産党政権による人権侵害に沈黙することはできないと、再び、従来の立場を明確に表明した。

米国にもファデンを

カナダに比べ、米オバマ大統領は昨年11月訪中した際に、ネット上の言論の自由の問題だけを取り上げ、人権問題においては突っ込んだ態度表明はなく、米国のマスコミを失望させた。

今年に入ってから、人民元レートの切り上げ、米中貿易摩擦、台湾への武器売却、米韓の黄海での軍事演習など、中国との対立を意識するような態度が高まっている。しかし、人権問題、とりわけ法輪功問題においては、米政府首脳の下では、進展が見られる見込みがない。

カナダ情報局長の発言について、人権問題専門家は次のように指摘する。「法輪功問題は、江沢民の急所であり、世界で法輪功を最も支持しているカナダでも、中共の浸透がこれほど深刻であるということは、中共をより重視する米国でのスパイ活動の深刻さは、一般の想像をはるかに上回るものに違いない」

米国在住で中国国家安全省の対外諜報員を務めた李鳳智氏は、ラジオ「希望の声」で、「中共は対外政策の中で、アメリカを最も重要視している。中共の米国に対する工作は、個別の領域に留まらず、あらゆる領域で獲得しようとしている」と証言している。

これまでに暴かれた者には、ロサンゼルスのスパイ・陳文英、サンフランシスコの華僑リーダー・白蘭などがいるが、彼らは市長や議員の選挙を操り、法輪功への打撃を試みたのである。

法輪功学習者の臓器摘出問題は、当初、米国で公にされたが、マスコミは政界からの圧力で大きく報道できなかった。これも、中共が米政界に浸透している代表的な一例と言えよう。

最近、中共の駐米大使館は、江沢民派閥が操る、法輪功迫害のために特別に設置された「610オフィス」からの命令に従い、神韻公演を多くの都市で妨害している。消息筋によると、ヒューストンでの公演もワシントンの政治家からの圧力を受けたという。

江沢民は米政治家との付き合いを通じて、中共党内での影響力を保ち、胡錦涛と温家宝勢力を制している。つい最近、米国会のベテラン議員が、北京で江沢民と面会し、江沢民を「旧友」と呼んでいた。

香港の雑誌『開放』6月号によると、江沢民は長期にわたって、駐米大使の任命から米中トップ間の対話における参加人員の選定まで、対米外交の権力を握っており、江沢民ルートは米国政界の最高層に直接影響している、という。

中国共産党のやり方に対し李鳳智氏は、「中共は自由社会で、政治家に対する工作はあらゆる手段を使っていると言っても過言ではない」と話す。

中共はよく政治献金をもって、米政界や地方への浸透と影響を深めているが、その多くは暴露されていない。こういった情勢に対し、ある国際人権活動家は次のようにコメントしている。「米国でもカナダ情報局長のような人物が現われ、中共の工作実態を暴露して欲しい。中共江沢民勢力の工作を暴露することこそ、それらの浸透と影響を阻止するもっとも有力な方法だ」

(翻訳編集・小林)