カナダ連邦議員 実体験から中共当局の浸透手口を暴露

2010/08/11
更新: 2023/07/12

【大紀元日本8月11日】中国の胡錦濤・国家主席が6月下旬にカナダを訪問する直前に、カナダ安全情報局(CSIS)のファーデン(Richard Fadden)局長が、外国政府、特に中国共産党(中共)政権によるカナダ政府関係者と議員への浸透を明らかにし、カナダ社会に強い衝撃を与えた。このほど、カルガリー市西区出身のロブ・アンダース(Rob Anders)連邦議員は、ファーデン局長の証言は秘密裏の表面に触れたに過ぎないと指摘し、中共当局によるカナダ政治家への買収の手口を自らの実体験から暴露した。

アンダース議員は97年、25歳で連邦議員に初当選し、同国の史上最年少の連邦議員となった。過去13年間において、同議員は中共当局による政治家買収の様々な手段を体験し、目の当たりにしてきたという。

酒、女、金を全面駆使、要人の家族も買収の対象

アンダース議員によると、中共当局は中共に対する態度に基づいて、政治家を支持・反対・中立の三つのグループに分類している。支持派の人に対しては工作の必要はない。中国政府は反対する人に狙いを定め、緻密な策略で丸め込もうとするという。

同議員は自らの体験を次のように語った。「彼らはまず一つ目の餌であるビジネス契約をオファーする。これに動じなければ、二つ目の餌である美女の出番となる。まだ、毅然として落ちなければ、酒やその他の手段が駆使される。それでもあちらの思惑に嵌まらなければ、多少複雑な策略が展開される。本人の意識にもちかけるのだ。よくある手だてとして、次のような言葉をかけてくる。『あなたは独裁政権に反対なんですね。私たちも反対なんです。ひょっとすると、あなたは私たちを助けることができる立場にある人かもしれません。独裁政権を憎む人の名前と状況を教えてください』・・・私はこれらのやりくちを全て体験した」

また、同議員によると、中共が最も力を入れているのは中立派である。「中共の策略の成功率はかなり高い。これらの政治家は、一度中国を訪れれば見事に落ちる。悲しいが、それが現実だ」

中共の買収相手は、現職の政府高官、部長、委員会のトップ、議員などに留まらず、政治家の側近も対象になっていると同議員は指摘する。

アンダース議員は次のように詳細に説明している。「私が知る限り、部長レベルの職員が中国を訪れるとき、例外なく若い女性が寄ってくる。遊ばないか、一緒に食事しないかなどともちかけられる。ついていくと、連鎖反応が起こったかのように、次々と計画通りに事が運ばれる。そして、いつの間にか現場が録画される。タイミングを見計らって、録画テープが持ちこまれ、『悪いが、中国にいたときに録画されてしまった。私たちは友人だ。このような録画であなたの将来が台無しになることを望まない。だから、この録画テープはあなたに返す。しかし、ほかのコピーがあるかどうかは保証できない。友人としてあなたを助けたが、代わりに少し意思表示をしてもらえるだろうか』と囁いてくる」

政治家の側近が買収対象にされる理由について、アンダース議員は、政治家に影響を与えるほか、将来への布石という狙いもあると説明した。実際、一部の側近は後に議員に当選している。

また、政治家の家族も中共が虎視眈々と狙っている。「そのような事情は決して珍しいことではない」と、アンダース議員は指摘した。

「総じて、中共のやりくちは、政治家、家族、側近を丸め込むこと。その浸透は広くて根深い。不幸なことに、彼らの思う壺になることがしばしばだ。人間の弱点が中共に思う存分に利用されている」とアンダース議員は話した。

連邦議員、中国訪問後に態度を豹変

アンダース議員は、州や市レベルの政治家のほかに、連邦レベルの議員も買収の対象にされ、ビジネス取引という餌で連邦議員を誘惑するということにも言及。「中国での出張では、中共から五つ星クラスの待遇を受ける。そして、エリートの若者を紹介する。これらの若者は完璧な英語を話し、プラダなどのブランドを語り、最新式の携帯電話を使い、政治家に、中国もカナダのようになりたいのだという印象を与える。その後、何者かが彼らに接近して、魅力あるビジネス取引を持ちかけてくる。信じられないほどの条件をもちかける」と説明した。

「一種のビジネス取引である。金銭利益で政治家を丸め込む取引は、ほぼ百戦百勝の武器だ」とアンダース議員は語った。

アンダース議員の多くの同僚たちは、中共が提供する贅沢三昧の旅を終えると、帰国後、驚くほど豹変してしまうという。「議員に当選した当初は、中国の人権状況に非常に関心を持っていた。選挙区の有権者から、中共当局による法輪功弾圧の実態や生きた法輪功学習者に対する臓器狩りの暴挙、中共によるチベット文化への破壊などに耳を傾けていた。しかし、豪華な中国の旅を体験すると、国王クラスの待遇、究極のもてなしに目が眩み、陶酔してしまう。その結果、帰国後の彼らは、手のひらを返すかのように、中国の人権問題への関心を完全に捨ててしまう」と同氏は描写する。

このような豹変を目の当たりにしたアンダース議員は、心底から不安を覚え、これらの同僚との交流を試みて、警鐘を鳴らした。「真珠のネックレスをプレゼントされたとき、ビジネス取引が成立したとき、美しく若い中国人女性があなたのような50歳も過ぎて、はげで太っている欧米の政治家に色気をみせてきたとき、警戒すべきだった。贅沢かつ豪華なもてなしの裏には、中国の刑務所の囚人と無実な政治犯の鮮血、汗と涙、そして、毎日5千膳の箸を包装する労苦がある。中国で得た甘い汁は、このような数百万人の中国人の苦難と犠牲に由来するものだ」

カナダの連邦議員のうち、少なくとも1割、場合によっては3割強の人が中国を訪れたことがある、と同議員は指摘する。

中共の策動を徹底的に暴露すべき

カナダ安全情報局(CSIS)のファーデン局長は、ほんの少し秘密裏の表面を破っただけでカナダ社会に大きな波紋を起した。

アンダース議員は、カナダの政界と社会に対するこのような卑劣な浸透行為は、徹底的に暴露すべきであり、ファーデン局長はもっと支援・激励されるべきだと訴え、さらに次のように締めくくった。

「中国文化は面子を重んじる。面子を求めない中国共産党の裏を徹底的に暴露しようではないか。某策行為はすべて見透かされており、その一挙手一投足も全て注視されていることを知らせるべきである。カナダ政府もファーデン局長も、もっと多くの闇の事実を公開すべきであり、中国の在外公館は制約されるべきだ。ファーデン局長の告白は幕開けに過ぎない。これからより多くの人が真実を公開すると信じている」

(記者・林採楓、翻訳・叶子)
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