【大紀元日本9月3日】8月下旬、湖南省金浩茶油有限公司(以下金浩社)が製造した茶油に発ガン性物質が含まれているというインターネット上の書き込みが話題になっていた。これに対して湖南省品質監察局は8月21日、同社製品は抜き取り検査に合格していると発表、金浩社も有害物質は含まれていないと全面的に否定した。しかし、品質監察局のある職員は匿名で、今年3月すでに発ガン物質が検出されたにもかかわらず、同局の上層部が社会不安を避けるため公開しない方針を決めたとメディアに情報提供した。中国国内の人民網が伝えた。
問題の茶油は植物油の一種で、成分の一つであるオレイン酸が生活習慣病の予防や健康維持に有効とされ、最近の消費者の健康志向から人気を得ていた。8月、金浩社製造の茶油に国家基準を上回る強い発ガン性物質、ガンベンゾ[a]ピレン(BaP)が含まれている疑いがあると、インタネットユーザーの間で話題となった。
中国の国家基準では、食用油に含まれるBaPの上限は1キロあたり10mg以下であるが、今年3月に、問題の茶油からその6倍の60mgを検出したという。
有害物質は生産過程で生じたものだと専門家は見ている。油の抽出量を高めるために、茶農家は原料となる茶葉を繰り返し高温で焙煎するが、その過程で適切な温度管理をしないとBaPが大量に発生する恐れがあり、発生した大量のBaPは、茶油を抽出するとき同時に流入してしまうという。「茶油製造会社にとってこれはすでに常識。通常なら濾過作業が行われるが、すべての製造会社がきちんと行っていないのも現実だ」と専門家は言う。
問題発覚後、金浩公司は、問題のある商品はすでに回収されたと社内資料に記していた。しかし、この情報は現在も公開されず、回収された商品の製造番号なども公表されていない。
今年7月、湖南省品質検査局は問題の茶油について会議を開き、問題解決を図るとともに、事件を公表しない方針も決めたという。同局の上層幹部の一人はその理由について、「人為的に添加されたメラミンと違って、製造過程で生じたものなので悪質ではない」とした上で、「食用油は国民の生活と直結しているため、非公表は社会の安定を維持するために必要な処置だ」と説明している。
湖南省内のスーパーでは現在も同社製造の茶油が販売されており、3月以前に製造された同製品が多数含まれているという。
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