【大紀元日本10月11日】インドネシア最高裁判所は10月5日、同国の郵政・電信局に対し、独立系中国語ラジオ放送局「新時代ラジオ」への放送許可証の交付などを命じる判決を下した。これまで同国の郵政・電信局は、中国政府の要求に応じて「新時代ラジオ」のFM放送チャンネルの使用権を取り下げていた。メディアを政治的な利益あるいは外国政府の脅威から守ったケースとして、同判決は、インドネシア各方面で評価されている。
「新時代ラジオ」は「希望の声ラジオ」(本部・米国)系列の放送局で、設立当初から、インドネシア政府機関の臨時放送許可証を取得し、インドネシア語と中国語の両言語で、華人が密集するインドネシア、シンガポール、マレーシアを中心に放送していた。中国政府の検閲を一切受けずに、チベットやウイグルの問題、法輪功(ファールンゴン)への弾圧など、中国国内の真の情報を伝えることを特徴としてきた。
同ラジオ局のスポークスマンによると、2005年に設立してから、特にここ3年間、中国政府がインドネシア政府を介して、同ラジオ局に度重なる圧力と妨害を講じてきた。2007年4月には、中国政府がインドネシア郵政・電信局などの国家政府機関に外交書簡を送り、同ラジオ局の放送は中国に不利益をもたらすという理由で、放送禁止を要求。インドネシア政府は中国政府の要請に応じ、同ラジオ局への放送許可証の交付を停止していた。
これに対し、2008年10月23日、「新時代ラジオ」は放送許可証の交付を求める訴訟を起こした。翌年4月、同国地方裁判所は、原告側の訴えを認めない判決を下し、あわせて、「中国側の干渉の有無は考慮していない」と述べた。同年10月、同ラジオ局は判決を不服として最高裁に控訴した。
2010年3月、郵政・電信局は同ラジオ局の放送器材を強制押収した。
インドネシア最高裁判所のサプトラ裁判長は今月5日、本訴訟に関する判決を下し、「新時代ラジオ」の訴えを全面的に認めた。郵政・電信局に対し、同ラジオ局への放送許可証を交付して、以前使っていたFM放送チャンネルの使用権利の回復を命じた。
同ラジオ局の代理弁護士は、最高裁の判決は客観的であり、事実に基いていると述べた。