【大紀元日本11月1日】米紙ニューヨークタイムズは先週木曜日(10月28日)、中国が日米欧向けのレアアース輸出禁止措置を解除したと報じた。
匿名を条件にニューヨークタイムズ紙に情報提供した中国産業機関の幹部4人の話によれば、中国政府は同日に急遽、日本、米国、欧州向けのレアアースの輸出禁止を解除した。そもそも輸出禁止を正式に認めなかったため、解禁について正式な発表はない。中国の税関は同日朝から、日米欧向けのレアアースの通関業務を再開した。一方、日本に輸出されるレアアースの検査は通常より厳しくなっているという。
日中両国間で尖閣諸島の領土問題をめぐって外交摩擦が生じてから、中国側は事実上9月中旬から、日本向けのレアアース輸出禁止を発動した。一方、米国と欧州への輸出禁止は先週あたりから始まった。
レアアースはハイテク製品の重要な原材料であるため、全世界の95%の埋蔵量を占める中国がその輸出禁止を発動したことに、日米欧諸国は懸念を示していた。
米国外交関係協会(Council on Foreign Relations)のアジア部門のエリザベス・エコノミ主任は米VOA放送に、中国政府はレアアースを人質に外国企業とその技術をコントロールしようとしているとの見解を示した。「外国企業に各種の技術製品の生産を中国で行わせるには、レアアースは有効な手段である」と同氏が述べた。
同主任は、今回、中国政府が暗黙のうちに輸出禁止を解除したのは、資源を懲罰の手段にする行為は、国際社会におけるイメージを損ねていると気づいたからではないかと分析した。
一方、レアアースの輸出禁止は、WTOの関連法令に違反するとの専門家の意見も出されている。
WTOの上告機関の元責任者ジェームズ・バッカス氏は、中国政府がレアアースやその他の製品の輸出を制限するやり方は、2001年にWTOに加盟した際の約束事に違反する、と指摘した。
専門家は、日米欧諸国にとって、中国以外の供給元を確保するのがレアアース提供の最善策だと指摘する。
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