【大紀元日本12月10日】8日、東芝グループに属する加工工場で労働争議が発生し、補償金額を不服とする元従業員100人以上がストライキ・デモを行った。ラジオ自由アジア(RFA)が9日伝えた。
ストライキ・デモを行ったのは深セン一鑫(きん)三福精密来料加工工場の解雇された従業員ら。目撃者によると、100人以上の従業員らは補償に対し不満を持ち、工場が補償金を増額するよう地方政府に協力を求めていたという。しかし政府が、元従業員の要求は不合理であり、工場側は「労働法」に符合しているとの判断を下したため、デモはその場で解散となった。
一方、ラジオ自由アジア(RFA)が担当地方政府・福永街道事務所に確認したところ、事務所にやってきたのは20人ぐらいだったという。工場は彼らを解雇すると言ってはおらず、工場の賃貸期限が来たため第二工場へ移す予定だ。新しい職場への異動を希望しない場合は、工場は勤続年数を考慮し労働法に照らし合わせた補償をすると言っているが、彼らはその補償の倍を要求している。これはすでに法外なことだ、と事務所職員は説明した。
同工場は01年に設立し、主要生産品は東芝のコピー機で、その他にPCB板や電源製品、金属プレス部品やプラスチック部品などを生産している。1カ月の給料は1000元(約1万3千円)から3000元だという。
中国で起きるストライキの主な原因は給料の低さと指摘される。特に外資系企業の大部分は委託加工を下請けする企業であり、企業の利益は安い労働力からきている。最近の物価急騰に伴い、低収入労働者の負担は耐えがたいものとなっている。一方、地方政府の一部官員は、賄賂を受け取り、工場側の給料や福利厚生などのピンはねといった違法行為に対し、追求するどころか却って企業をかばい放任している。
これに対し北京の劉蘶(ぎ)弁護士は、地方の官員は通常「安定」という名目で資本側の利益を保護すると指摘した。2、3日前に見たニュースでも大連開発区の労働者によるストが報道されており、その後は未解決のまま棚上げされているという。多くの政府関連部門は当然のように工場支配人から賄賂を受け取っており、その見返りに支配人のために便宜を図っている。また、もっと根本にある原因は、ストの権利が中国の憲法で認められていないということだと劉弁護士は分析している。