【大紀元日本12月17日】中国最大手の国有石油会社・中国石油化工集団は10日、米石油大手オキシデンタル・ペトロリアムのアルゼンチンの石油・ガス資産を24億5千万ドルですべて買収したと発表した。同集団傘下の中国石油化工(シノペック)の今年9月までの取引額は前年比59.8%増の1500億ドルに達しており、中国のほかの2つの大手国有石油会社と手を組んで、世界石油の新たな配分図を構築することを目論んでいると、13日付のフランスの主要経済紙トリビューヌ(La Tribune)が報じた。
中国は、経済の発展に伴い、エネルギーへの需要も年々膨らんできている。そんな中、アジア最大手の石油会社でもある中国石油化工集団は、世界各地から油田を買収し、グローバル戦略を展開している。同社は今年、世界中から388億ドルの資産を買収しており、収益は11.5%増の84億ドルに上っている。
今回、中国石油化工集団がアルゼンチンと調印した契約には、日量5万1千バレルの22鉱区の生産権が含まれる。また同じ南米で10月に、スペインの石油会社レプソルYPFのブラジル部門に71億ドルを出資し、持ち分は同部門の40%となったという。
中国石油化工集団の油田買収は2004年ころから加速しており、現在は世界20カ国で業務展開をしている。昨年、同集団は75億6千万ドルで、スイスに本部を置く石油会社アダックス石油の全株を買い取り、中国企業として海外企業買収の最高額を記録した。この取引きにより、中国石油化工集団はアダックス石油が所有したナイジェリア、ガボン、イラクなどの油田を手にした。
石油のみならず、中国石油化工集団は今年、天然ガスなどの分野でもその勢力を大きく伸ばした。今月始めに、ほかの2つの大手石油会社・中国石油天然気(ペトロチャイナ)と中国海洋石油(シーノック)と一緒に、ベネズエラの石油・天然ガス権益について合わせて6つの取り決めに調印し、3社の同国への投資規模を400億ドルに膨らませた。その直後、中国石油化工集団は、さらに米シェブロンからインドネシアの天然ガス権益の18%分を取得。中国国内では今年9月に、同社初の天然ガスプロジェクトを山東省で建設をスタートさせた。さらに、外国企業と共同で炭層ガス開発を進める許可も、最近、政府から得たという。
中国石油化工は現在、中国10か所ある石油精製工場のうちの8つを所有している。原油年生産量は3億5千万バレル、原油備蓄は40億バレルに達するという。同社副総裁は、国営英字紙チャイナ・デーリーに対し、今年中国の石油消費量は2億1600万トンに上り、2020年には3億3600万トンに伸びると予測し、この膨大な需要が同社の世界油田の買い込みを後押ししていると話した。また、ほかの2つの国有石油大手とゴールド・トライアングルを構築することで、世界石油の再分配をはかるとの野望も示した。
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