【大紀元日本1月18日】中国の海峡両岸関係協会(海協会)・陳云林会長は先週北京で、「台湾独立への反対がなくなり『一つの中国』問題が合意に達したこと(九二共識)を守り続けられなくなった場合、中国側の台湾に対するこれまでの経済政策を、全て改めることになる」と、政治に支配される両岸の経済関係を提起し強調した。15日付の聯合早報が伝えた。
同報道によると、陳会長は、北京で台湾企業連合会・郭山輝会長一行と会食した際にこの話を切り出したという。同氏はさらに「大陸が台湾に対して取っているすべての政策・決定、すべての思慮、すべての動きはみな『両岸和平』のため」だと表明し、「さもなければ、危険な境地に陥るだろう」と台湾独立の動きに釘を刺した。また「今後の執政も今の政策を無条件に継続させるほど簡単なことではない」と中国の台湾政策はあくまでも「1つの中国」という条件の上で成り立っていることを示唆した。
一方、その少し前に、台湾の馬英九政権が「九二共識」を繰り返したばかりだった。両者が短い間に相次いで同じことを提起したことは、馬政権と中国当局の馴れ合い政治の表れだ、と野党の民進党は指摘し、中国側が台湾に経済「譲歩」政策を遂行する前提は、「中華民国」を消滅させることだとみている。
台湾紙・聯合報は、陳氏の談話は表向きでは「九二共識」を認めていない民進党への警告だが、実は馬政権が民進党に同調することをけん制していると分析した。昨年台湾で行われた五都市の市長選挙では、国民党が三勝し数の上では勝利したが、五都市全体の得票総数で民進党に大きく負け越した結果となった。このため、今年末の立法委員選挙と来年の総統選挙では、国民党は民進党にすり寄る形になるだろう、と同紙は予測している。
実際、馬総統は今年元旦の講演で、「台湾の未来は2300万人が握っており、私たちは自分で決めるのだ」と述べていた。講演内容の本質は12年前に民進党が発表した「台湾前途決議文」と同じだった。
「九二共識」とは、1992年に大陸の海協会と台湾の海峡交流基金会(海基会)が香港での会談で、「一つの中国」問題に関して合意に達したとされる共通認識。合意内容については、台湾側が主張する「『1つの中国』を堅持、政治的意味は各自で解釈」と、中国側が主張する「『1つの中国』を堅持」は、必ずしも一致していない。
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