【大紀元日本2月13日】ムバラク大統領が辞任したことで、18日間のエジプト反政府運動が幕を下ろし、民衆の力で独裁政権を崩壊させた民主運動が勝利した。その影響は早くも北アフリカのほかの国にも波及し、12日、アルジェリア、イエメンでも反政府デモが発生したという。
一方、独裁体制や、腐敗と官民対立の社会状況がムバラク統治下のエジプトと最も近似する中国では、当局はエジプト民衆運動の火が中国にも飛ぶ危険に警戒している様子を見せている。中国国営報道機関は12日、エジプトの情勢を報道しているが、ムバラク氏の辞任や政権移行への要求にとどまり、エジプト民衆の大規模抗議には触れていない。各ポータルサイトや地方メディアも新華社報道記事の転載一色で、エジプト関連記事のコメント欄を閉鎖しており、エジプト情勢についてのネットユーザーの発言も禁じている。
「民主万歳!」-ネット閉鎖との戦いを続ける発言者
しかし、中国人ネットユーザーはあらゆる方法を駆使してエジプト民主運動の勝利にエールを送っている。エジプト民衆の勝利に感激し、「人民万歳!民主万歳!」「2012年は世界の終わりではなく、独裁者の終わる日だ」などの発言がネット上で飛び交っている。
掲示板発言が最も活発なことで人気を博しているポータルサイト・網易では、エジプトの関連記事の発言欄が閉鎖されているが、12日午後からエジプト情勢の影響を受けて反政府デモが起きているアルジェリアの報道記事へのコメント欄は一時的に開放された。ネットユーザーらがこの短い開放時間を利用して、エジプト民主運動についての感激と民主への期待を熱く語っている。
午後3時ごろに開放されたアルジェリア情勢に関する報道記事への発言欄は、夕方には閉鎖されたが、閉鎖される前に残された184個の発言記録から見ると、9割以上の発言はエジプト民衆にエールを送っている。次はその一部の翻訳。
―民主万歳。早くこっちに広がって来てね(上海市・Ritama)
―2012前、世界人民、覚醒(山東省・IP:112.246**)
―ドミノが来た(上海市浦東新区河蟹・Wait-and-see)
―いつこのコメント欄が閉鎖されるのか見ているよ(浙江省绍兴市・マラガビ)
―いいモデルを見せてくれてありがとう(深セン市・抱烏亀寝る)
―この世界がやっと救われるのだ(上海市松江区・6689)
―民主の潮流は止められない。エジプト軍人の正義に脱帽!彼らは独裁者の手伝いをしていなかった。さすが人民の軍隊だ!Tunis、エジプト人民、我々を連れて前進、前進(貴州省貴陽市・TCQXX2010)
―反独裁の民主の風、遠くのアラビアから速やかに世界に吹き尽くすように(湖北省黄石市・IP:119.100.**)
―コメント欄が閉鎖される前に、私も一言残そう:民主万歳!民主万歳!!万々歳!!!独裁、地獄に行けー!!!(湖北省武漢市・JKSDF)
―今年、造反は流行?(河南省洛陽IP:61.163**)
―すごい、またも一つの国が。。。小さな火花は本当に広野を焼き尽くすことができるんだ!(江蘇省塩城市・leave me alone)
―すべての権利を人民に戻せー(四川省成都市・IP:221.10**)
―民心の向かうところであり、大勢の赴くところであろう(北京市・0°魚)
―2012は人類が終わる日ではなく、人民に背く者の終わる日(湖北省武漢市・IP:58.49**)
―沈黙の中で爆発か、死んでいくか―魯迅(上海市楊浦区・黒夜給我眼睛)
―このごろは、タクシーに乗ってドライバーと話したら、現実に対する不満ばかり。。。民衆の本音を信じる。。。みなも分かるよね(河南省鄭州市・芸人欧陽星空)
―Woo!2012が来たぞ―。皆さん、がんばろう!(浙江省杭州市・ IP:122.235.*.*)
―偉大なるチュニジア、エジプトの人民、万歳!(上海市浦東新区・[butlerchen])
―感激!アラビアの空は晴れた空(広東省深セン市・IP:116.7.*.*)
―さっき聞いたニュース:網易は発言欄を閉鎖してないんだって!本当の話を言う勇気のある網易を永遠に支持!(遼寧省大連市・口苦薬良)
12日夕方、これらの
発言をコピーしている間に、網易の発言欄が閉鎖された(スクリーンショット)
発言をコピーしている間に、網易の発言欄が閉鎖された。13日朝、網易の最新のアルジェリア情勢の報道記事に対し、ネットユーザーの発言と当局のネット閉鎖の戦いがまた繰り返されている。
ミイラは兵馬俑を蘇らせるのか
一方、国内の発言は禁止されているため、ネット閉鎖を突破して海外中国語メディアのサイトに発言を投稿する中国人ネットユーザーもいる。BBC中国語サイトの発言欄で、「エジプトの独裁者も舞台から降りたから、中国人の私たちは傍観するわけにはいかない」「エジプトのインフレは中国と比べたら大分よいほうだわ。ムバラクの奥さんや息子も中国高官の家族よりずっと清潔だ。ムバラクさん、中国にいらして総理になってください」など、中国共産党政権の腐敗を皮肉る発言も見受けられる。
CTスキャンと称する中国人ネットユーザーがBBCの中国語サイトで、「エジプトのミイラは、中国の兵馬俑を蘇らせることができるのか。中国大陸の民衆はどんな啓発を受けたのか。北京中南海のチンピラたちはきっと寝食ともに不安でたまらないだろう」と書き込みを残している。
貴州省と山西省の人権活動家・陳西さんと_deng_太清さんは、エジプト民衆の勝利は中国民衆に独裁者と抗争する勇気を与えていると見ている。「80年代の東ヨーロッパの変革や、今日の北アフリカの民主革命、いずれも人民の利益を無視する独裁政権への反動。これからの中国でも同じ変革が起きるだろう。中国人民が共産党政権を見捨てる日は近づいていると思う」
北京市で人権活動に従事している民間団体「陽光公益」の創始者・劉安軍さんは大紀元記者の取材に、エジプトの事件はすでに多くの中国人に反省をもたらしていると話した。「エジプトさえもこのよう(独裁崩壊)になったら、中国はどうすればいい?中国ではいつ民主が実現できるのか?どんな方式で?民主運動活動家やら、民主意識を持つ党内の高層幹部やら、みなエジプト情勢について話が盛り上がっている。一部は、エジプト人民と同じく街頭に出て理性的な抗争を取るべきだと考えているが、一部は、エジプトの軍隊は独立しており、中国とは本質的に異なっていると考えている」と劉さんは言う。エジプト民衆の勝利に励まされているが、中国共産党政権は世界でもっとも残酷で、詐欺性がもっとも高い独裁者であるため、このような独裁者に対してどんな行動を取るべきなのか、劉さんは憂慮している。
いずれにしても、民衆の力によってわずか18日間で暴虐の独裁政権が崩壊した今回のエジプト革命から、中国の民衆が「不可能なことはない」という啓発を受けているのは間違いないだろう。
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