中国の「ジャスミン革命」、政府当局の「罠」か

2011/02/22
更新: 2011/02/22

【大紀元日本2月22日】海外中国語ニュースサイト「博訊」に19日に掲載された1つの書き込みから、この動きは始まった。それは、北京や上海など13都市で20日午後2時に繁華街の広場に集まり、「中国のジャスミン革命」を起こそうという呼びかけだった。当局は民主化をはかる活動家を事前に逮捕し、当日は指定の場所に警察隊や私服警官が集結し、デモ参加の目的で来たとみられる若者を連行・逮捕した。

その翌日の21日、台湾の苹果日報(Apple Daily)に掲載された「中国13都市にジャスミン革命勃発」と題する記事に、この行動の「発起人」には法輪功も含まれることを未確認情報として伝えた。また、台湾系紙・世界日報も今回の行動は「アメリカ在住の六四民主運動(天安門事件)リーダー王丹氏と法輪功が推し進めた」と、こちらも未確認情報として伝えた。

これらの「未確認情報」に対し、米中部の法輪功佛学会の責任者・楊森氏は「我々は精神修養を重んじており、政治には参与しません。(20日の集会には)我々は態度を示すこともありません。ただ、ことの進展において腑に落ちないところがあるため、私個人は、今回の行動は中国政府が設けた罠ではないかと考えています。その目的は、彼らが脅威と感じる人々への迫害を強化するためかと思います」と述べた。

楊氏はさらに、一部のメディアの情報源と報道体制にも疑問を感じると語った。

海外中国語メディア・阿波羅ネットは、今回の事件は中国政府が中国でもっとも正義感を持つ人をあぶり出すための「罠」だと指摘している。この「罠」に引っかかった人に対し今後監視の目を強め、また、政府の鎮圧ぶりを見せつけることで、今後この種の行動への出足を鈍らせることを狙っていると分析した。

米国在住の中国問題専門家、石蔵山氏は、中国当局は中東の民主化運動のドミノが押し寄せてくることを極めて恐れていることがこの件で読み取れるとしている。今回の親政府系メディアの報道は、いわゆるジャスミン革命に対する政府の強硬な態度を際立たせており、共産党政権は「強い統制力」の虚像を作りあげようとしていると石氏は分析している。

(翻訳編集・張凛音)
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