【大紀元日本3月24日】福島原発の事故後、中国全土をかけめぐった塩の買いだめ騒動は、1週間もしないうちに、返品騒動へと一転した。国内メディア各社が伝えた。
そもそも塩の買いだめは、「塩に含まれるヨウ素に被ばく予防効果がある」や「海が汚染されたら塩も安心できない」との理由で起きていた。しかしその後、当局やマスコミは、食塩に添加されているヨウ素はごく微量で、被ばく予防の効果がないと伝えたことで、今度は買いだめした人々が店に押し寄せ返品を求める騒ぎが起こった。
湖北省武昌市に住む郭さんもその1人。17日に郭さんは甘粛省の実家から、塩を大量に購入するように頼まれた。甘粛省ではすでに塩が値上がりし、品薄状態になっているため、レストラン経営の親戚らが困っているとのことだった。
郭さんは武昌市内にある調味料市場に駆けつけたところ、1袋25キロの塩は通常価格の65元からすでに95元~120元に値上がりしていた。郭さんはその場で1袋100元の値段で6500キロを購入した。
しかし、その日の夜のテレビで、塩の被ばく予防効果はデマだと伝えられた。郭さんは慌てて販売業者に返品を申し入れたが、領収書がないとの理由で断られた。
郭さんはいま、通常価格の65元で転売先を探しているが、全部売りさばけたとしても1万元以上の損失を被ることになる。ちなみに、6500キロの塩を1人で全部消費するには、3561年かかるという。
郭さんが塩を購入した17日は今回の買いだめ騒ぎのピークで、全国でこの日だけで37万トンの塩が販売され、通常の24日分の販売量に相当する。返品を求める人々に対し、店側は「勝手に買っておいて勝手に返品するのか」と断るが、消費者らも負けじと政府の物価監視部門に、通常価格より高い食塩を販売した店の返品拒否は「不当だ」と訴えている。
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