【大紀元日本4月21日】米ミサイル防衛局(MD)は現地時間15日、ハワイ沖の太平洋で中距離弾道ミサイルの迎撃実験に成功したと発表した。「中国に照準を合わせている」と専門家が評し、中国でも高い関心を呼んでおり、新華社、中国日報、法制晩報等の中国政府メディア各社は16日と17日に実験を詳しく報道した。
米ミサイル防衛局は今回の実験を「これまでで最も挑戦的な実験」だとしており、イージスBMD3.6.1にとって遠隔追跡データを用いた初めての中距離弾道ミサイル(射程3000km~5500km)迎撃実験であり、遠隔レーダーの利用はSM-3の守備範囲を著しく向上させるものであると発表した。
情報筋から、今回の実験で米国は北朝鮮のムスダンミサイル(射程3200~5500キロ)と中国の東風‐21D準中距離弾道ミサイルに対して防御能力を備えたことが証明されたと伝えられた。
元中国海軍軍官、軍事専門家の宋暁軍氏は16日「法制晩報」のインタビューで、「米ミサイル防御試験は明らかに中国、イラン及び北朝鮮を標的としている。米国は自国にとって脅威の国家をけん制しようとしている。米国はイラン及び北朝鮮を危険国家と見なしており、中国の台頭に圧力を感じている」と述べた。
中国海軍将軍で国防大教授の張召忠氏は17日、中央人民ラジオ局第1放送「中国之声」で、この防御システムは「直接的には北朝鮮、更には中国に対抗するためのもの」だと話した。さらに、ロシアのアジア地域、特に東アジア、シベリア一帯にとっても大きな脅威となり、ロシアのミサイル防御システムの効果を弱めることにもなるとしている。
(編集・高遠)
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