【大紀元日本5月2日】25日、重慶市の食品メーカーがアイスキャンデー、アイスクリームなどに使う原料の粉ミルクの中からメラミンが検出された。度重なる問題により中国国内では国産粉ミルク離れが進む一方、ネッスルなど海外の粉ミルクはこのほど一部商品の価格が引き上げられた。平均上げ幅は2割に達している。
毒粉ミルクがアイスクリームの原料に
重慶晨報によると、重慶市の食品メーカー・吉喜達食品が3月16日に仕入れた粉ミルク16.25トンに基準値以上のメラミンが含まれていることが検査により明らかになった。なお、同社の設備は点検・修理中のため、今回の粉ミルクはまだ生産に使われていないという。
この粉ミルクは、広西八旗(商社)から2.2万元で吉喜達食品に販売されたものだ。また、広西八旗が重慶の物流会社から借りている倉庫で差し押さえられた10.475トンの粉ミルクの一部にも、基準値を超えるメラミンが含まれていた。これらの粉ミルクの出所は、いずれも内モンゴルの「ジャライド旗威力思乳業」であった。
有毒粉ミルクの根絶が難しい理由について、国内メディアは次の2点を指摘する。第一に、「低価格商戦」と巨額の利益という誘惑に不法業者が群がるため。第二に、一部地方の食品・薬品生産と流通に対する管理力不足。
今回、重慶で押収されたものは「文氏蒙乳」というブランド名をもつ粉ミルクで、基準値以上のメラミンを含有するなどの品質上の問題によって、ここ数年で、何度か通報されている問題商品だという。しかし、そのことでメーカーが取り締まりを受けることはなく、問題の粉ミルクも依然として各地に流通し続けていた。
今回の有毒粉ミルク事件で、5人の容疑者が警察に拘束され、そのうち3人が刑事拘留されている。
つのる国産品への不信感
中国の経済紙・証券日報によると、粉ミルク問題は根絶が難しいため、当局が企業や業会に対し価格の安定を呼び掛けているにもかかわらず、米ネッスル、豪オースニュートリア・デイリー、オランダのfrisoなど海外メーカーの粉ミルク価格は最近、原料価格上昇を理由に、平均2割上昇しているという。
メラミン入り粉ミルク事件後、中国の消費者の国産粉ミルクに対する信頼度は下降しており、現在の中国乳児用粉ミルク市場の55%以上、売上高では70%が海外メーカーの商品で占められ、国内メーカーは非常に厳しい状況にあると乳業専門家は指摘している。
あるネットユーザーは、「海外メーカーの粉ミルクは金がかかるが、国産品は命にかかわる。どちらを選べばよいかは皆分かっている」と言い、またあるユーザーは、「海外メーカーの粉ミルクが愛顧されているのではなく、国産品はリスクが高すぎるからだ。誰が自分の子供を実験台にしたいと思うのか」と答えている。
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