【大紀元日本6月10日】北京の米国大使館の門前で3日、中国人のグループが毒薬を飲み集団自殺を図ろうとする事件が発生した。警察が自殺を阻止し、一行を現場から強制連行した。
香港紙・明報の報道によると、一行は7人で、福建省から北京に陳情に来ていたという。その中の一人・陳家発さんの息子の妻は数年前に殴り殺された。陳さんら遺族は現地当局に対して、加害者の法的裁きを求め続けたが、公正に対応してもらえなかった。そのため北京への陳情を試みたが、そこでも相手にされなかった。
「なす術がなくなり、米国大使館の前でこのような行動を起こすしかなかった」と陳さんは語った。
直訴者らは米国大使館の前で、抗議の文言を書いた旗や、殺された陳さんの息子の妻と思われる女性の大きな写真を掲げていた。抗議活動が交通渋滞を起こし、大勢の通行人があたりを囲んだ。直訴者の中の数人が農薬とみられる毒薬のビンを手に飲み始めたところ、駆けつけた警察官に止められた。その後、私服警官が地面に倒れていた直訴者を道路の反対側に引きずり上げた後、公安当局は一行を現場から強制連行した。
明報は、「一行は病院に運ばれて治療を受けている、その後の状況は不明である」と報じた。
米VOAが掲載した目撃者が撮影した現場写真では、地面に倒れていた直訴者の体には黄色の旗が被っており、そのすぐ側にピンク色の上着の幼女と年配の女性が座り込んでいた。
VOAは本件について、次のように論評した。
「外国公館の前で訴えるというやり方は、中国の直訴者がよく使ってきた。今回の直訴者たちも、中国各地からの大勢の直訴者と同様で、地方当局の幹部の腐敗や、その他の不公平な処遇を抗議するため、中央政府への陳情を試みているであろう。なぜならば、彼らは地元ではこれらの問題を解決できないからだ。北京に陳情する以外、なす術がないと感じているであろう。しかし、北京を訪れても、問題は依然として解決できない、そのため、多くの人は絶望感を覚えてしまう」
ある直訴者はVOAに対して、「米国大使館の前でこのような過激な行動を取るのは、国際社会に対して、中国国内の弱者層の深刻な状況に目を向けてほしいと願っているからだ」と語った。
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