「戦争犯罪」で国際逮捕状のスーダン大統領、中国当局に招待され訪中へ

2011/06/24
更新: 2011/06/24

【大紀元日本6月24日】中国外交部は、スーダンバシル大統領が胡錦濤主席の招待を受け、27日から30日まで中国を訪問すると発表した。同大統領は同国のダルフール紛争における戦争犯罪、人道に反する罪、大量虐殺の罪に問われ、国際刑事裁判所(ICC)が2009年3月に逮捕状を発行した。そのため、今回の中国当局の招待は物議をかもしている。

バシル政権と中国政府とのつながりは深い。中国はスーダン石油の最大の買手であり、原油の3分の1は中国に輸出されている。中国の国営企業はスーダン南部に巨額投資しており、石油の採掘と道路の建設に取り組んでいる。また、バシル政権にとって中国当局は最大の武器供給国でもある。国際社会ではダルフール紛争における中国当局の責任を追及する声が根強い。

ドイツのデア・シュピーゲル(Der Spiegel) 誌は、「国連のすべての加盟国は原則上、国際刑事裁判所のこの逮捕状の執行に協力すべき」と記し、中国当局はバシル政権の最大の支持者であると非難した。

南ドイツ新聞(Sueddeutsche Zeitung)は中国当局とスーダンの密接な経済関係などに触れた上、中国の最高指導者がバシル大統領を招待することは「罪人にレッドカーペットを敷いた」ことと同様と批判した。「今はまさにダルフール紛争が再び激化している時期でもある。国連のスーダン人権専門家は、バシルの軍隊がスーダン南部で大量虐殺、強姦、その他の犯罪を犯している情勢下で、中国当局が両国間の『伝統的な友情』を堂々と語るのは、非常に不愉快な印象を与える」と記している。

(翻訳編集・叶子)