土地強制収用めぐり官民衝突 警察による殴打で村民多数負傷=広東省

2011/07/30
更新: 2011/07/30

【大紀元日本7月30日】7月19日、中国広東省梅県佘江鎮の紅星村で、地元政府の土地収用をめぐり、官民衝突事件が発生した。村民らは地元政府による土地の強制収用を阻止しようとしたが、当局が出動した警察、機動隊等600人余りに殴打され、多数の村民が負傷。男女計4人が連行された。

現場を目撃した村民の頼さんは、「梅県裁判所、交通警察、公安、機動隊のほか、身分不詳で体格のいい男らと、10数台の重機が集められた。全県各鎮の共産党幹部がその場に到着すると、村民らは路上に跪いて(強制収用しないように)懇願した。しかし警察は、警戒線を引き、そこに近寄る村民に対して次々と暴力を振るった」と当時の状況を説明した。

警察に殴打され、連行される村民(ネット写真)

当局側の通知によると、今年4月、当局は紅星村の171戸に対して、農地などの土地を収用すると通達。6月末、123戸は当局の提案した補償条件に同意し土地を手放したが、48戸は拒否した。それらの拒否した村民らの土地に対して、地元裁判所が今回の強制収用執行の決定を下したという。

しかし、ある女性の村民は、「当局の示した条件に同意しない家は、まだ80戸以上はある。あまりにも少ない補償金で、しかも農地がなくなれば生きる術がない。だから同意できないのだ。当局が示した1平方メートルあたり55元(約660円)の補償金では1.5キロの豚肉すら買えない」と不満をもらした。

この女性はさらに、地元当局が農業銀行に働きかけて村民の預金口座を開かせ、一方的に補償金を振り込んで、村民が「了解」して金を受け取ったとでっち上げている。しかし村民は、勝手に振り込まれた金に手をつけておらず、同意のサインもしない覚悟だと述べた。

また、ある村民によると、村の約60ヘクタールの農地のうち、すでに47ヘクタールが収用された。今回は、さらに約10ヘクタールが強制収用されたが、上部に対しては、収用した農地は「0.7ヘクタール」であり、その他は「池と窪地」だという虚偽報告をしている。また当局が、1平方メートルあたり55元という極めて低い補償価格で収用した土地を、高値で転売して暴利を得ていることも村民の強い反発を招いたという。

(記者・古清児、翻訳編集・余靜)