故宮博物院「国宝の皿」割れる さらなる事実隠蔽の疑い

2011/08/03
更新: 2011/08/03

【大紀元日本8月3日】北京市にある故宮博物院で7月はじめ、一級文物(日本の国宝に相当)の宋代「青釉葵瓣口盤」が破損していたことが、中国版ツイッター「微博」で30日明らかにされた。1か月経っても当局から発表がなかったことから、当局は事故の隠蔽を図ったのではないかとの疑いがもたれている。故宮博物院では5月に他の文物が盗まれた事件もあったため、この投稿は瞬く間に注目を集めた。

故宮博物院側は31日になって初めて、「陶磁検査研究室の研究員が4日、無破損検査を行っていたところ、扱いのミスで皿が割れた」と、事故の事実を明らかにした。

国家文物局が2003年に制定した「国家文物局突発事件対応管理方法」には、「国有文物事業は突発事故が発生した際、2時間以内に文物主管部門に報告しなければならない」と記されている。

今回の事故について、同博物院文物管理所の所長は、「事故の原因が複雑だったため、約1か月の調査を要した。事故原因を把握してから上層部に報告した」と、ほぼ1か月経っても北京市文物局に報告しなかった理由を説明した。

破損した文物は宋代(960~1279年)の有名な青磁窯「哥窯(かよう)」で作られた「青釉葵瓣口盤」。高さ約4センチ、直径約20センチで、表面の「貫入」と呼ばれる釉(うわぐすり)の細かいヒビが特徴。割れたものも含め50数枚しか現存していない貴重な磁器だ。

(翻訳編集・王知理)