【大紀元日本11月5日】 今年4月に脱税の容疑で逮捕され、現在仮釈放中の芸術家・艾未未(アイ・ウェイウェイ)氏(54)に対し、北京地税局は11月1日、追徴課税や罰金などで1522元(約1億8000万円)の支払いを命じた。これに対し、同氏は自身の反政府言論への報復と見ており、命令に従わない意向を示した。
北京五輪メインスタジオ「鳥の巣」の設計を手がけるなど、世界的に名を知られる現代芸術家の艾氏は、近年、メラミン入り毒粉ミルク事件や四川大地震で多数の児童生徒を死なせた手抜き校舎建設問題の調査に乗り出すなど、反政府活動を活発化している。今年4月、脱税の罪で逮捕され、国際社会の圧力により81日間後に仮釈放された。
艾氏によると、通知は妻が所有する会社宛のもので、同氏を「実質的支配者」と記しているという。脱税した証拠も示されておらず、事実無根であることを主張し、「明らかに私を標的にしている」と述べた。
さらに、通知を届けた地税局の担当者は、「国が脱税したと言うなら、脱税したことになる。争う余地はない」と発言したことを同氏は明かした。
艾氏は「これは金銭の問題ではなく、社会的道義の問題だ。間違った処分なら、1円でも高い。正当な処分ならば、100万も1000万も支払う義務がある。司法的手段で人を黙らせようとする当局のやり方は病的だ」と、政府の対応を批判した。
米総合月刊誌「アトランティック・マンスリー」 はウェブ版で記事を掲載し、「中国共産党は言論弾圧を強めている。中東独裁政権の相次ぐ崩壊に中国の指導者は脅威を感じ、あらゆる手段で予防措置を講じているのかもしれない」と分析した。
税務当局の規定によると、異議申し立てするには担保が必要なため、同氏の母親と兄弟は現在居住中の住宅を担保に出し、当局と全面的に争う意向を示した。
同氏の父親である艾青氏は、中国政府に賞賛されていた詩人であったが、同様に政治的迫害を受けたことがある。担保に出された住宅は、同氏の父親の住まいだった。
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