【大紀元日本12月3日】広州―深セン―香港間の高速鉄道(広深港高鉄)工事で死亡事故が発生した。南方都市報など複数の国内紙によると1日午前9時半ごろ、同鉄道の深セン市福田区の皇岡公園内にある地下トンネル工事の現場で、配筋中の鉄筋が崩れ、16人の作業員が生き埋めになった。当局の発表によると、2人が死亡し、3人が重傷を負っている。
事故は地下トンネルの鉄筋を組み込む最中に起きた。9時半ごろ、「突然機械の音が消え、電気も消えた」と作業員の龔さんは証言する。龔さんも崩れ落ちた鉄筋の下敷きになったが、自力で脱出した。「無数の鉄筋は剣のように地面に刺さっていた」という。
龔さんは四川省出身の出稼ぎ労働者。自分と仲間を雇った陳さんも他の人の下請けだと話す。
鉄筋が崩れた原因についてまだ調査中だというが、事故後にポータルサイト網易の掲示板に2万8千人が殺到し、「材料費を抑えるために細い鉄筋を使ったのでは」「何重もの下請けがあるから、現場は素人なのでは」と疑いの声が数多く上がっている。
一方、事故後、南方都市報の記者は負傷した作業員らが運ばれた病院で取材を試みたが、病院関係者に阻まれたという。
広深港高鉄の深セン―香港間は全区間にわたり地下を走行する形をとり、総工費17億香港ドル(約170億円)で、2014年の開通を目指している。今回事故が起きた福田区の皇岡公園はこの地下区間の起点となっており、「福田駅」は開通後、国内最大の地下鉄道ターミナルになるという。
広深港高鉄プロジェクトはこれまでも事故が相次いでいた。なかでも同じ福田区中康団地にあるトンネル工事で、今年3月以来、5回も崩落事故が発生している。また、昨年2月に、深セン市の他の区間の高架橋工事で2人が死亡する事故が起きていた。
広深港高速鉄道の広州ー深セン間の開通は8月12日の深セン・ユニバーシアード大会の前だとみられていたが、温州高速鉄道事故の影響で延期となり、国内メディアは今年中には開通すると予測している。
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