【大紀元日本12月30日】中国当局はこのほど、相次ぎ人権活動家に重度の懲役刑を処している。専門家らは、中国の今年の人権状況が後退しており、中共政治への意見者を迫害する重大事件が続発していると指摘している。
中国の民主活動家への迫害は、ここ数週間、一層エスカレートしている。
四川省在住の陳衛氏は懲役刑9年に処された。貴州省在住の陳西氏は懲役刑10年。この2人はまったく面識がなく関係はないが、中国当局を非難する文章を発表したため迫害の対象となり、「国家政権転覆罪」で起訴された。
陳西氏はかつて軍隊に服役したことがあり、工場で産業労働者として働いていた。武力弾圧された1989年の大学生民主運動「六・四天安門事件」に参加したため、3年間投獄された経験をもつ。
その後、陳西氏は貴州省の貴陽市で市民の人権論壇を立ち上げた。
ボイス・オブ・アメリカ(VOA)の報道によると、妻の張群さんは、中国当局が真に民主と前進を求めているのであれば、批判の声に耳を傾けるべきだと指摘。「だれも政権を倒したいとは言っていない。倒すことができるのだろうか。軍隊と警察を背後に持つ政権を、一枚の紙、一本の筆で私たちが崩壊させることができるだろうか。この政権はこれほど脆弱なのか」と張さんは語った。
計算された判決のタイミング
上記の2人への判決はともにクリスマスの前に公表された。米国の人権団体「対華援助協会」の責任者である付希秋氏は、VOAの取材で、中国当局は計算尽くして発表の時期を定めていると指摘した。
「中国当局は、国際社会と欧米国家の政府の反応を想定していた。クリスマス期間中に人権活動家への厳しい判決を公表すれば、国際社会の関心がそれほど強くないだろうとの計らいだ」と同氏は分析する。
2009年のクリスマス期間中に、当局は民主活動家の劉暁波氏に11年の懲役刑を言い渡した。劉氏は一年後にノーベル平和賞を受賞した。
付希秋氏は、強制的行為による行方不明、恣意的逮捕、監禁が多発していることから、中国当局は依然として異見者を厳しく弾圧していることは明らかだと述べ、「今後事態が改善することはないであろう」と語った。
中国外交部「人権状況は歴史上最良の時期」
中国外交部の洪報道官は27日の定例記者会見で中国の人権記録について次のように弁明した。
「長年来、中国は経済の発展を通し、人民の生活を改善してきた。また、民主と法治の強化を通して、社会の公平と正義を改善できた。中国人民の各種の自由と権利は十分に保障されている」
同報道官は「中国の人権状況は現在、歴史上で最良の時期」にあると続け、国際社会に向けて「中国の人権事業の発展を正確かつ客観的に見るように」促した。
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