国営企業2千人 賃金問題で抗議デモ=四川成都

2012/01/04
更新: 2012/01/04

【大紀元日本1月4日】先月30日夜、中国四川省成都市にある国営大手化学工業企業・川化集団の従業員約2千人が会社側に対して、昇給や親会社からの離脱を求め、高速道路の入り口を塞ぎ抗議デモを行った。現場に駆け付けた約500人の警察がデモ隊と対峙したが、最終的に会社側が昇給を約束したことでデモ隊は翌朝1時過ぎに解散した。

従業員の陳さんによると、同企業はここ数年、赤字の連続だったにもかかわらず、持ち株のある親会社が高額な支出を続けていた。従業員らは、親会社から離脱することと昇給を工場側に求めたが、具体的な回答はなかったという。同日夜、従業員らは当局の関心を引くために、「仕事をくれ、飯を食べさせろ」との横断幕を掲げて成綿高速道路の入り口を塞ぎ、抗議デモを行った。

「仕事をくれ、飯を食べさせろ」との横断幕を掲げるデモ隊(ネット写真)

これに対して、現場に駆け付けた約500人の警察は、高圧放水でデモ隊を囲んで対峙した。31日朝1時、会社側はデモの拡大を避けるため、従業員一人につき賃金約400元(約4800円)の引き上げを口約束し、デモ隊はようやくその場を去った。

メディアの報道が効を奏して広東省烏坎村の抗議デモが成功したとみて、川化集団の従業員も成都市の各メディアに連絡したが、誰も取り合ってくれなかったという。さらに、当局が従業員によるネット上の書き込みを削除したことも判明したと陳さんは話している。

(記者・唐明、翻訳編集・余靜)